徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

君が代松竹梅 ~梅のパート~

2025-01-24 18:29:36 | 古典芸能
 今から17年前、平成20年4月30日(水)の夜。熊本城二の丸広場特設ステージでは、「熊本城築城400年祭」のエピローグとして「坂東玉三郎 特別舞踊公演」が行われた。昼過ぎには1時間ほど並んで入場整理券を確保し、舞台から10列目ほどの席に母と家内と僕と三人並んで座っていた。何気なく後ろを振り返ると圧倒されそうな大観衆。翌日の新聞記事に観衆12,000人と書いてあった。舞台の向こうにはライトアップされた熊本城天守閣が浮かび上がっている。やがて舞台が暗転、地方の演奏が始まる。そしていよいよ坂東玉三郎さんの登場だ。場内の空気が一変する。あちこちで「ほ~ッ」というため息が漏れる。1曲目の「君が代松竹梅」を踊り始める。それから2曲目の「藤娘」が終り、玉三郎さんが退場するまでの間、僕は異次元空間にいるような気がした。

 先日、国際交流会館で行われた「第58回熊本県邦楽協会演奏会」の最終演目「君が代松竹梅」の演奏を聴きながら、僕は17年前の玉三郎さんの舞台を思い出していた。
 今日は先日の演奏会における「君が代松竹梅」の中から、最後の「梅のパート」を視聴した。


マイミックスリスト

2025-01-23 22:18:09 | 音楽芸能
 YouTubeの「マイミックスリスト」機能によりリストアップされたタイトルを時々チェックしている。ネット上には個人のお気に入りをまとめたものというような説明もあるが、自分でお気に入りに選んだ覚えはない。中には一度も再生したことがないものも含まれており、再生歴からAIで僕が好みそうなものを選んでいるのだろう。先日リストされていた下記の26タイトルの中から3タイトルを選んで視聴した。

  • 喜代節
  • 熊本民謡おてもやん
  • 鹿児島三下り~田助ハイヤ
  • After You've Gone - P Time Selection
  • 東海風流チャンネル「下田節」
  • ひえつき節(宮崎県民謡)
  • ザ・わらべ~さのさ~
  • 熊本自転車節(歌詞付)
  • 花童~肥後のタンタン節~
  • 花童~キンキラキン~
  • ザ・わらべ~津軽あいや節~
  • 伊勢音頭(歌詞付)
  • こわらべ~江津湖音頭~
  • 長崎浜節/長崎ぶらぶら節
  • 端唄 せつほんかいな
  • 牛深高校郷土芸能部 牛深ハイヤ節
  • 民謡「鹿児島小原良節」
  • 花童~絵日傘/数え唄~
  • 花童~小坪いかとり歌~
  • こわらべ~京ものがたり~
  • 新保広大寺~八木節
  • おてもやん 田中祥子
  • 東海風流チャンネル「碧南木遣節」
  • Clarinet Marmalade, Shotgun Jazz Band with Makiko Tamura
  • ざ・わらべ&こわらべ~河内音頭~
  • 豊浜須佐踊り

   ▼After You've Gone - P Time Selection

   ▼東海風流チャンネル「下田節」

   ▼ザ・わらべ~さのさ~


にっぽん縦断 こころ旅

2025-01-22 22:30:07 | テレビ
 「にっぽん縦断 こころ旅 2024秋 熊本編」2日目は玉名市から長洲町の「長洲港」を目指す。旅人は火野正平さんのピンチヒッター坂上忍さん。
 今から16年前、3歳の孫にカモメを見せようと夏休みに長洲港に連れて行ったものの、季節外れで渡り鳥のカモメはいなかったという女性の願いを叶えるため長洲港をめざす坂上さん。
 出発地点は玉名市小浜の菊池川右岸。菊池川堤防の道を下流方向へ自転車を走らせるのだが、この道は僕にとって思い出深い道。僕が幼い頃、高瀬駅(現玉名駅)から大浜町の母の生家までの約3kmを母に手を引かれてくてく歩いた道である。道沿いに木蝋生産の名残であるハゼ並木が続く。寛文年間から熊本藩ではハゼが特産品奨励として植栽されて木蝋生産が盛んに行われ、藩の財政を支えた。現在は木蝋生産は行われていないが、秋には美しく紅葉するハゼ並木が市民に親しまれている。
 ハゼ並木をしばらく走った後、右折して長洲へ向かう畦道に自転車を進める坂上さん一行。出会った住民たちと触れ合ったり、途中の食堂で昼食をとったりしながら長洲港に到着。驚くほどのカモメの群れに出会い、依頼者の手紙を読んで目的達成となった。
 そんな様子を見ながら、僕はなぜか海達公子の詩を思い出していた。


旅人は坂上忍さん


菊池川右岸のハゼ並木を進む


今日のコース


長洲港にはカモメが群れていた

▼海達公子の詩「川口」

懐かしい風景

2025-01-21 21:25:41 | テレビ
 テレビ番組の中で好きなジャンルが旅番組。見ていて行ったことがある町や風景が出てくるとなんだか嬉しくなる。
 今日見たのはNHK-BS「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」選と、BSテレ東「ローカル路線バス乗り継ぎの旅W」の2本。

 「六角精児の呑み鉄本線」は冬の野岩鉄道&会津鉄道だったが、ゴール地点の西会津に近づくと車窓から冠雪した会津磐梯山が美しい姿を見せる。磐梯山を初めて目にしたのは高校1年の会津若松国体の時だから、もう64年も前になる。その後、那須在勤の頃、会津若松を二度訪れていつも変わらぬ磐梯山の姿を拝んだものである。


会津磐梯山

 一方の「ローカル路線バスの旅」は女性3名で挑む新シリーズ。赤江珠緒・高城れに・三船美佳の3人が日光・中禅寺湖をスタートし3泊4日で千葉県房総半島最南端の野島埼灯台を目指す。
 僕は彼女らが通った鎌ヶ谷に悲しい想い出がある。東京本社に勤務していた40数年前、机を並べていた新入女子社員が心臓系疾患で突然死した。鎌ヶ谷から通勤していた彼女のご自宅でのお葬式にも参列した。無性に悲しかった出来事が想い出された。


左から三船美佳・高城れに・赤江珠緒の皆さん

     「六角精児の呑み鉄本線」のバックで流れていたライ・クーダーの「I Got Mine」

第58回熊本県邦楽協会演奏会

2025-01-19 20:28:33 | 古典芸能
 今日、国際交流会館で行われた「第58回熊本県邦楽協会演奏会」では毎回出演の蓑里会で立三味線を務められる杵屋五司郎さんが、初めて自らの出自や経歴について話をされ、杵屋をリードして行く立場となった現在の心境を語られた。また、寛永年間に杵屋勘五郎が兄の初代中村勘三郎とともに江戸に下り、杵屋宗家の始祖として江戸歌舞伎の発展に尽くした話など、とても興味深い話をされた。


【今日の演目】
  • 三曲「越後獅子」・・・・・・・・・琴古流尺八楽若菜会
  • 俚奏楽「蛍茶屋」・・・・・・・・・秀美会
  • 筝曲「千鳥の曲」・・・・・・・・・都山流尺八楽会
  • 長唄「連獅子」・・・・・・・・・・蓑里会
  • 琴古流尺八本曲「下り葉の曲」・・・琴古流尺八楽若菜会
  • 肥後琵琶「餅酒合戦」・・・・・・・肥後琵琶の会
  • 端唄「松づくし・春雨・寄りを戻して・品川甚句」・・・椿会
  • 都山流尺八本曲「平和の山河」・・・都山流尺八楽会
  • 長唄「君が代松竹梅」・・・・・・・花と誠の会・蓑里会

昨夜の夢 ~エルヴィス~

2025-01-18 22:20:21 | 
 昨夜、不思議な夢を見た。
 僕はどこかのホールで行われているライブコンサートを観に行っている。ステージでは一人の歌手が1本のギターを爪弾きながら歌っている。顔がハッキリとはわからないが、風体から見てエルヴィス・プレスリーのようだ。バラードなのだが不思議なことに日本語で歌っている。そして観客が彼の歌に合わせて合唱しているのだ。今まで聞いたことのないその歌を、あとで曲名を調べてみようと必死に耳コピーした。
 しかし、朝起きてみるとそのメロディは儚く消えていた。何でこんな夢を見たのだろうとしばらく布団の中で考えた。
 思い当たるのは先日、NHK-BSのプレミアムシネマでエルヴィス・プレスリーの伝記ドラマ「エルヴィス」をやっていた。僕が中高生の頃、エルヴィス主演の映画をよく観に行ったものだが、そのエルヴィスのイメージと、この映画でエルヴィスに扮している役者のイメージがあまりにも違うので途中で見るのをやめた。その後、前から気になっている、英語で演じられる能「青い月のメンフィス」(Blue Moon Over Memphis)のイントロダクションPVをYouTubeで見た。エルヴィスのファンにとって聖地となっているテネシー州メンフィスの、かつての邸宅グレイスランドを訪れた旅人の前にエルヴィスの霊が現れるという夢幻能である。おそらくそんな映像などが入り混じってわけのわからない夢になったのだろう。

 エルヴィスの主演作「ブルー・ハワイ」の中で歌う「好きにならずにいられない(Can't Help Falling In Love)」

 夢幻能「青い月のメンフィス(Blue Moon Over Memphis)」の紹介PV

梅の開花時期

2025-01-17 20:47:23 | 季節
 今日はもう1月17日。わが家の梅も護国神社の梅園の梅も、いまだに蕾の膨らむ気配すらない。今年は開花が遅いという話は聞いていたが、気になったので過年度のブログ記事を確認してみた。
 なんと昨年は護国神社の紅梅が1月13日にはほぼ開花と言っていい状態である。2015年のわが家の梅は1月14日にはだいぶ開いている。今年の状態はというと蕾が膨らみ始めるのはまだ1週間以上先と思われる。その年々の気候条件によって開花時期は左右されることはわかっているが、やはり梅の開花は「春のたより」。待ち遠しいものだ。
 そこで梅を季語とした漱石の句を二つ。いずれも漱石お得意の邦楽にちなんだ句。

   紅梅にあはれ琴ひく妹もがな(明治29年)

   紅梅や舞の地を弾く金之助(大正4年)


2015.1.14


2016.1.16


2019.1.20


2020.1.23


2021.1.19


2024.1.13

春のたより

2025-01-16 19:54:08 | 
 今日は朝から国立熊本病院へ。先日受けた消化器検査の結果を聞くためだったが、だいぶ待たされた挙句、結果が届いていないので来週再来院の指示。憮然たる思いで帰路につく。二の丸広場を通って帰ろうと「二の丸休み処」の前に差しかかると、中のモニターに、一昨年他界した同級生の顔がアップで映っていてビックリした。勇知之君といって、郷土史家で「西南の役」研究家として知られていた。誘われるように中に入りバンコに座って見た。西南戦争で証明された熊本城の堅固さを紹介するビデオ映像だった。勇君はその解説役として登場していた。しかし、「休み処」の客はほとんど外国人。ビデオには無関心のようだったが、勇君もきっとこの様子を見て苦笑していることだろう。
 頬が凍てつくような空気を感じながら二の丸広場を歩いたが、もう1,2週間も経てば護国神社の紅梅の開花のたよりが聞けるだろう。


幸若舞

2025-01-14 21:06:02 | 古典芸能
 1月20日は福岡県みやま市の国指定重要無形民俗文化財「大江幸若舞」が行われる日。現地に見に行ってから早くも10年が過ぎた。毎年行きたいと思いながら所用があったり、自身の体調が悪かったりで結局その後行けないでいる。
 室町時代初期に始まり、中世から近世にかけて、能と並んで武家に愛好された芸能といわれるが、今では、みやま市瀬高町の大江でしか見ることができない。10年前に行った時も、僕も含め、みやま市外から見に来た観客が多かった。おそらく今ではもっと多くの観客が市外から来られているだろう。
 幸若舞というものの、この古典芸能は語り物で、小鼓方の鼓と独特な囃子に合わせ、前傾姿勢で両手を広げ、反閇と禹歩を繰り返しながら朗吟する。おなじみ「敦盛」で言えば「人間五十年 げてんのうちをくらぶれば」という詞章を聞くと観客は待ってましたとばかりの表情を浮かべる。映画やドラマで見た織田信長の舞を思い浮かべるのだろう。今年のプログラムにはこの「敦盛」が入っていないのは残念なことだ。


大江幸若舞が行われる大江天満神社


小学生の舞手たち

2015.1.20 福岡県みやま市瀬高町大江 大江天満神社 「敦盛」

どんどや

2025-01-13 22:38:30 | 日本文化
 今日は、わが町の正月恒例行事「第52回壺川校区どんどや」が京陵中学校のグラウンドで行われた。消防団の皆さんが伐り取り組み上げた青竹の櫓の前で、加藤神社宮司による神事の後、櫓に火が入れられた。たちまち櫓は燃え上がり、松飾りや注連飾りが燃える炎とともにお迎えした歳神様が天空へと昇って行く。毎年のことながら感動を覚える一瞬だ。


加藤神社宮司により神事がとり行われる。


壺川小学校の生徒による玉串奉奠


組まれた櫓に火入れが始まる


あっという間に櫓が燃え上がる