徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

どんどや

2025-01-13 22:38:30 | 日本文化
 今日は、わが町の正月恒例行事「第52回壺川校区どんどや」が京陵中学校のグラウンドで行われた。消防団の皆さんが伐り取り組み上げた青竹の櫓の前で、加藤神社宮司による神事の後、櫓に火が入れられた。たちまち櫓は燃え上がり、松飾りや注連飾りが燃える炎とともにお迎えした歳神様が天空へと昇って行く。毎年のことながら感動を覚える一瞬だ。


加藤神社宮司により神事がとり行われる。


壺川小学校の生徒による玉串奉奠


組まれた櫓に火入れが始まる


あっという間に櫓が燃え上がる

「べらぼう」と傀儡子の三番叟

2025-01-12 20:41:40 | ドラマ
 今夜の大河ドラマ「べらぼう」は蔦重(横浜流星)が吉原再興のガイドブック「吉原細見」を作り、平賀源内に序文を書いてもらおうと奔走する話が中心だった。
 一方、江戸城内では徳川三卿のひとつである一橋家の当主・一橋治済(生田斗真)の嫡男・豊千代(後の十一代将軍家斉)の誕生を祝う盛大な宴が行われていた。能舞台では治済と田沼意次(渡辺謙)による傀儡子「寿二人三番叟」が演じられていた。実際にそんなことがあったのかどうかはわからないが、やがては将軍の実父として絶大な権力を握ることになる治済の田沼意次に対する信頼ぶりと意次の後ろ盾としての存在感が表れていた。


つぐない

2025-01-11 19:23:59 | 
 年賀状じまいをご連絡いただく方も多くなり、僕の出状数もかつての半数以下になってしまった。いまだに年賀状のやり取りを続けている方のなかに、那須塩原市の栃木工場勤務時代の同僚Kさんがおられる。Kさんからの賀状の中に「昨年6月に定年退職」した旨、書き添えてあった。僕が東京へ転勤になった後、彼女は一度退職し、結婚・出産などを経て再雇用されたことは知っていた。いわゆる仕事のできるタイプで、特に当時進められていた業務OA化の尖兵となっていたので再雇用と聞いた時は「さもありなん」と思ったものだ。
 「定年退職」と聞いて「もうそんな歳になっていたか!」と驚いたが、考えてみれば僕が栃木工場に勤務したのはもう40年も前。彼女は高校時代バレーボールの選手で歌もうまかった。時々、週末には職場の仲間で行きつけのカラオケスナックに行くことがあったが、彼女の歌で今でもよく思い出すのが、当時流行り始めていたテレサ・テンの「つぐない」。伸びやかな歌声に聞きほれたものだ。栃木工場時代のことを思い出すとどこからか彼女の歌う「つぐない」が聞こえて来るような気がする。


「べらぼう」と「山名屋浦里」

2025-01-10 20:39:57 | ドラマ
 1月3日にNHK総合「タモリと鶴瓶の新春特番」の中で「山名屋浦里」が話題になって以来、このブログの「山名屋浦里」関連のページへのアクセスが集中していたが、やっと今日は鎮静化したようだ。
 今年の大河ドラマ「べらぼう」は初回から、命を落とした遊女の全裸遺体が折り重なるという投込寺のショッキングな映像が物議を醸しているようだ。花柳病にかかっても治療も受けられなかったり、食事もろくに与えられず栄養失調で命を落とす遊女なども多かったようで、「吉原」はけっして夢の国ではないことを端的に表現したものだろう。
 ところで、「亡八」の中に扇屋宇右衛門という楼主が登場する。この男がくだんの「山名屋浦里」の原話である「扇屋花扇」の楼主である。なかなかの文化人で、遊女たちの教育にも熱心だったらしいが、「花扇」というのは「扇屋」の代々の花魁名で、四代目というのが名代の花魁だったという。
「べらぼう」には喜多川歌麿が登場するので彼が描いた「花扇」の話もきっとあるだろう。誰が「花扇」を演じるかも今後の楽しみだ。


歌麿が描いた花扇


花魁道中

早坂暁の世界

2025-01-08 21:35:44 | ドラマ
 今日からNHK-BSで「続 夢千代日記」の再放送が始まった。「夢千代日記」シリーズといえば、脚本家・早坂暁(はやさかあきら 2017年没)さんの代表作である。早坂さんは50年代から90年代まで、主にテレビで数々の名作ドラマを生み出したレジェンドの一人である。僕が見た早坂作品は数え切れないほどあるが、その中から特に好きな3本を選んでみた。(2017.12.18の記事を再編集したものです。

◆夢千代日記(NHK 1981年)
 日本のテレビ史上、伝説的な存在となったこのドラマシリーズは、吉永小百合さんが出演した映画・ドラマの中で僕が最も好きな作品だ。このドラマが始まった時、小百合さん35歳、匂いたつばかりの美しさ。胎内被爆者である夢千代は余命3年と宣告されている芸者置屋の女将。当時は裏日本と呼ばれた日本海の暗い冬の景色。寂れた温泉町。どうしようもないほど暗いこのドラマを見ると陰鬱な気分になるのだが、なぜか画面から目を離せない。脇を固める俳優陣がすごい。その誰もがまさに適役なのだ。超一流のスタッフとキャスト。やはり良い作品ができないわけがない。
 「夢千代日記」といえば、はる屋の芸者たちが唄い踊る「貝殻節」が忘れられない。ドラマの舞台となった兵庫県の湯村温泉辺りの民謡かと思いきや、実は「貝殻節」は、湯村温泉とは遠く離れた鳥取県沿岸の漁夫の作業歌として歌われ始めた民謡だという。
 「続・夢千代日記」「新・夢千代日記」とシリーズを重ねるごとに、このドラマの評価は高まり、早坂さんの代表作となった。

◆田舎刑事・時間よ、とまれ(テレビ朝日 1977年)
 渥美清の田舎刑事シリーズの1本で、僕はテレビドラマ史上、傑作中の傑作だと思っている。このエピソードで小林桂樹さんが演じたのは殺人犯である過去を消し、別人として有力者に成り上がった男の役だった。渥美清さんとの鬼気迫る対決が印象に残るが、普段は人のよいサラリーマンや人格者的な役どころが多い小林桂樹さんが、それまでのイメージを払拭するような快演だった。早坂さんの脚本は、まるで松本清張を思わせる迫力があった。

◆山頭火・何でこんなに淋しい風ふく(NHK 1989年)
 フランキー堺さんが種田山頭火を熱演しているが、これはもともと早坂暁さんが、渥美清さんの主演を想定して書いた脚本。諸事情で渥美清さんは出演できなかったが、本人は並々ならぬ意欲を見せていたという。山頭火が一時、堂守を務めていた植木町味取の味取観音堂がある瑞泉禅寺に渥美さんがフラリと訪ねて来たことがあるという。おそらくこのドラマのロケハンだったのだろう。瑞泉禅寺がご実家の民謡三味線・本條秀美さんから聞いたお話だ。

ローカル路線バスの旅

2025-01-07 21:33:14 | テレビ
 今夜の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」(BSテレ東)は、岐阜城をスタートし、鳥取砂丘がゴールという過酷なコース。旅人は、俳優・田中要次と芥川賞作家・羽田圭介および女優&タレントの村井美樹という顔ぶれ。結果はゴールへ向かう最後のバスに乗り遅れ失敗した。
 今日のコースで興味深かったのは琵琶湖を反時計回りする部分。その昔、僕が彦根在勤の頃、リクルートで高校巡りしていた時とほぼ同じコースを回っていた。もちろん僕の場合は車運転だから、バス旅のような制約はなかったのだが、何度も同じコースを回ったので、今日のバス旅を見ながら、いつか見たことのある風景だなぁと思いながら番組を見ていた。
 下に思い出の風景写真を掲載してみた。関ヶ原方面から米原へやって来る途中の醒井宿は地蔵川の梅花藻(ばいかも)が人気スポット。北国街道木之本宿は木之本地蔵院の門前町として栄えた風情ある町。湖西に回り高島までやって来ると白髭神社の湖中大鳥居が見えてくる。そして近江八景のひとつ「堅田の落雁」で知られる堅田の満月寺浮御堂。
 なお、番組中「急がば回れ」という諺は琵琶湖が起源という話が出ていたが、
「武士(もののふ)の矢橋の舟は早くとも急がばまわれ瀬田の長橋」
という古歌が始まりという。矢橋から舟で琵琶湖を渡るより、遠回りでも瀬田の長橋を回ったほうが安全で確実ですよという意味。


醒井宿の梅花藻(米原市)


北国街道 木之本宿(長浜市)


白髭神社 湖中大鳥居(高島市)


堅田の浮御堂(大津市)

上村松園の世界と藤間爽子

2025-01-06 23:01:45 | 美術
 今日は京町から県道303号(四方寄熊本線)を通り、県立美術館別館から千葉城橋を渡り、上通へ回る散歩をした。上通では舒文堂河島書店で久しぶりに古書でも眺めてみようと立ち寄った。しばらく経ってから壁に額に納められた上村松園の「鼓の音」の版画が掲げられていることに気付いた。価格は66,000円(!)と書かれていた。
 そこで昨夜のEテレ「日曜美術館」を思い出した。「SP ハッピーニューアーツ!」と題して注目の展覧会をいくつか紹介していたが、その中のひとつが「私は我が道を行きます 藤間爽子×上村松園」だった。俳優として日本舞踊家として活躍している藤間爽子が日頃から大好きな上村松園の作品を観に奈良県の松伯美術館を訪れる。展示された多くの名作の中でも彼女の心をとらえて放さないのが「花がたみ」。能「花筐」を題材とし、恋する相手を想い物狂いとなった女性を描いた作品。自ら舞台で演じたことのある戯曲「ハムレット」に登場するオフィーリアにも擬して感動する。また松園の代表作ともいわれる「序の舞」では、その「私は我が道を行きます」という松園の強い意志を感じ、舞台に出る前の自らの姿に重ね合わせ、進むべき道への覚悟を語っていた。


鼓の音


藤間爽子(藤間紫)


朝ドラ「ブギウギ」でヒロイン・スズ子の幼なじみタイ子を演じた藤間爽子


上村松園の代表作「序の舞」


能「花筐」を題材とした狂女物「花がたみ」

初詣と松囃子

2025-01-05 19:15:59 | 日本文化
 今日5日は例年どおり、藤崎八旛宮に初詣に行った。毎年5日と決めているのはこの日「松囃子」が行われるから。参拝と「松囃子」を合わせて初詣と自分で決めている。拝殿に詣でた後、武内社を始め摂社・末社すべてをお詣りした。
 「松囃子」では金春流と喜多流によって舞囃子などが演じられたが、喜多流の狩野了一さんによる「東北(とうぼく)」が一番印象深かった。昨年の松囃子でもたしか狩野祐一さんが「東北」を舞われたが、藤崎八旛宮での松囃子では喜多流は「東北」を舞うことになっているのだそうな。「東北」は昨年の大河ドラマ「光る君へ」にも登場した和泉式部の霊が登場する能。


わが家の氏神 藤崎八旛宮への初詣


例年三が日を過ぎると参拝客は少なくなったが、今日は日曜日とあって賑わっていた。


松囃子「舞囃子 東北」喜多流能楽師 狩野了一さん

「山名屋浦里」 の話題

2025-01-04 11:33:58 | テレビ
 1月2日の朝からgooブログがシステムトラブルで全く繋がらなくなり、そのせいか2日のブログアクセス数は半減。昨日3日はどうなっただろうとアクセス解析を開いてみると、なんと前日の倍増という結果に。滞っていた分の加算でも行われたのかなと思ったが、アクセスされたページを見て「ハハーン!」と気付いた。それはこれまで度々アップした「山名屋浦里」に関する記事がズラリ。
 昨夜放送されたNHK総合「タモリと鶴瓶の新春特番」の中で「山名屋浦里」が話題になった。2023年の「タモリと鶴瓶の新春特番」でも話題になり、この時もブログへのアクセスが急増したことがあった。ブラタモリの「江戸の盛り場 ~吉原編~」のロケの時、タモリが現地で聞いた話をもとにした鶴瓶の新作落語「山名屋浦里」が話題となったのはもう10年前。さらにその翌年には新作歌舞伎「廓噺山名屋浦里」として上演されたことも話題になった。今こうしてまたブログへのアクセスとして恩恵を受けるとは思いもしなかった。


▼これまでアップした「山名屋浦里」に関するブログ記事

2024 年間動画視聴ベスト10

2025-01-02 19:21:13 | 音楽芸能
 YouTubeマイチャンネルの2024年動画視聴ベスト10は次のとおりでした。
 この期間の総視聴回数は1,511,670回。前年の約2.8倍という伸びでした。これは、一昨年の年末にアップしました「お座敷小唄/芸者ワルツ(リマスター版)」がバズり、それによって12年前の初期版を始め、旧作群にも飛び火したような状況になったものです。この現象も落ち着きつつありますが、新作アップもなかなか厳しい現状の折、旧作で再評価されそうな動画を発掘したいと思っています。

 サムネイル画像をクリックしていただきますと動画を視聴いただけます。

1.お座敷小唄/芸者ワルツ(リマスター版)(470,032回)


2.こわらべ~ お座敷小唄/芸者ワルツ ~(90,879回)


3.花童 ~ 肥後のタンタン節 ~(83,025回)


4.こわらべ ~ 江津湖音頭 ~(82,322回)


5.花童 ~ 絵日傘/数え唄 ~(61,532回)


6.花童 ~ キンキラキン ~(49,696回)


7.ひえつき節(35,278回)


8.南部俵積み唄(34,956回)


9.伊勢音頭(歌詞付)(33,319回)


10.おてもやん(歌詞付)(26,105回)