徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

マイマイ新子

2009-10-01 17:25:59 | 映画
 樹のぶ子の「マイマイ新子」がアニメ映画になるらしい。まぁ、ホンネを言えば、どうせ映像化するなら実写版にしてほしかったという気持も少々。この小説はいくつかの意味で興味深かった。まず、あの「透光の樹」のような、濃密な恋愛小説を書いた著者が書く児童文学っていったい・・・。厳密に言うと児童文学というのは適当ではないかもしれない。ヒロインの年代こそ違え、一人の女性のビビッドな生き様を描いているという点では全く同じかもしれない。
 また、この小説は二つの意味で懐かしい。一つは僕は著者と生年が同じなので、出てくる言葉がすべて、僕の昭和30年なのである。僕のすぐ隣りに新子が居るような、そんな気がした。もう一つは、僕も一時、防府市に住んでいたことがある。舞台となる国衙の辺りも何度も歩いて通った。その頃から、さらに20年遡った、あの界隈の様子がどんなだったかを描いてみせてくれる。
 著者の後書によると、日本版「赤毛のアン」を書きたかったとあるが、僕は読んでいてバーネットの「秘密の花園」を連想した。アニメ映画のタイトルは「マイマイ新子と千年の魔法」ということらしいが、「千と千尋」の線を狙ったと見るのは穿ちすぎかな。