徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

御衣黄(ぎょいこう)

2022-04-18 18:25:12 | 日本文化
 熊本城に向かって散歩していると、新堀橋の上に今復旧工事中の監物台が見える。工事期間中は監物台樹木園には入れないが、今、園内の御衣黄桜が咲いている頃だなと思っていると、ふと三の丸の漆畑にも御衣黄桜があったことを思い出した。行き先を変更し、漆畑へ向かった。5、6本あるうち、盛りを過ぎて花の色が変わりつつあるものもあったが、御衣黄の色合いはいつ見ても爽やかで心が洗われる思いがする。


熊本城三の丸の御衣黄桜


 御衣黄の名前の由来は、平安時代の貴族の着物の色「萌黄(もえぎ)」に似ているからだという。「萌黄」を辞書で調べると「襲 (かさね) の色目の名。」とある。以前、「全日本きもの着付選手権熊本大会」で十二単(じゅうにひとえ)の着付のデモンストレーションを見たことがある。たしかに「萌黄」の着物が含まれていた。
 服飾関係のサイトで調べてみると、十二単の構成は、「唐衣(からぎぬ)・表着(うはぎ) ・打衣(うちぎぬ)・五衣(いつつぎぬ)・単衣(ひとえ)・長袴(ながばかま)・裳(も)からなる」とあり、そのうち「表着」に「萌黄」色を使うと書かれていた。


萌黄色の表着(2019.6.9 鶴屋ホール)