賢い姫君/フィオリモンド姫の首かざり/メアリ・ド・モーガン・作 矢川澄子・訳/岩波少年文庫/1996年初版
イギリスのメアリ・ド・モーガンの作品の中の一編。矢川澄子訳というので、安心して読めました。
何でも知りたがる姫君。姫はいろいろな先生についてありとあらゆる学問を教わります。それでも満足できず、とある賢者のところで学ぶこと3年。
けもののことばがわかり、いつ風がおこるか、さらには憎む相手を石に変え、愛する友を人知れず富ませてやることもできるように。
しかし、なにかもの足らない姫は、賢者に問います。
「どうしたら楽しくなれるか」
賢者もこたえられず、答えをさがす姫君。最後に得た答えも、なるほどと思わせます。
人生とは何か?というテーマを、ソフトに考えさせてくれます。
お話のプロットが実に巧みな一編です。