どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ジュファー・・イタリア昔話の主人公

2014年06月20日 | 昔話(ヨーロッパ)

      みどりの小鳥 イタリア民話選/イタロ・カルヴィーノ・作 河島英昭・訳/岩波少年文庫/2013年初版


 日本の一休さんや吉四六さんと似た人物が、イタリアの昔話にでてくるジュファー。
 トルコのホジャなどがすぐに思い浮かびますが、イタリアの話のなかにも同様の人物が。

 とんち話や、笑い話が、一人の人物を通して展開されるのが共通しています。

 イタロ・カルヴィーノ作のイタリア民話選の中に、4篇がのっていました。

・ジュファーと石膏の彫像

 なまけもので役立たずの息子ジュファーが、おしゃべりの人には、わたすんでないよと母親から念をおされ、布を売りに行きます。
 あう人に高いといわれ、何も返事をしない、彫像に布をまきつけて、翌日お金をもらうにいきます。
 もちろん、彫像なのでうんとも、すんともいわない。怒ったジュファーが、彫像を粉々にくだくと、その中から金貨のつまったなべが出てくるという話。

・ジュファーと月と泥棒と裁判官

 ジュファーが月に向かって、出てこい、出てこいと言っていると、それを聞いた泥棒が、警察がきたと思って、盗んできた肉をおいたまま逃げ出します。
 母親が、その肉を売ったのは、何と蠅。
 蠅が代金を払ってくれないと裁判官に訴えると、蠅をみたら直ちに一匹殺していいという判決。ちょうど、そのとき裁判官の鼻に蠅がとまります。そこでジュファーが、がつんとたたきつぶすと、裁判官の鼻もたたいてしまう。

 気軽に楽しめるのが、この手の話である。日本で紹介されている外国の話は、ごく一部にすぎないが、こんな人物はまだまだいそうだ。