夢飛行/いとう けんぞう/ポプラ社/1993年初版
丘の上の一軒の家。
丘のふもとには家々が立ち並び、遠くには山々が。
この構図が最後まで一貫しています。
同じ構図ですが、朝、昼、夜、そして季節がめぐる色合いが幻想的で、心象風景が広がります。
印象的なのは、一面銀世界の冬の光景。家々のあかりがほっとさせてくれます。
月や星たちが歌う夜、
あの空までのぼってみよう。
子どもだったころ、あんなに自由に
飛びまわった空そらなのだから。
みあげれば夢の空。
今夜、ぼくは丘を飛びたつ。
昔の子どもの空への憧憬をにじませています。
書店で手に入れるのはむずかしいかもしれません。