どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

雉女房

2014年06月18日 | 絵本(昔話・日本)
雉女房  

     雉女房/作・村山亜土 絵・柚木沙弥郎/文化学園 文化出版局/2012年初版  

 

 文がシナリオみたいと思ったら、もとは舞踏劇の台本というので納得しました。
 登場人物は3人のみ。

 ある日、一人暮らしの百姓の源太が蛇に襲われた雉を助けます。その後、源太の家におキジという娘が現れ、一緒になることに。

 子どもも生まれ、秋祭りが近くなったころ、源太は町に買い物にでかけます。帰り道、近道しようと道に迷ってしまい、とある家に一晩泊めてほしいと頼みます。この家にはおゆうという女が。このおゆうは、源太に殺された蛇の化身。

 遠くにある古い荒れ寺の釣鐘を、家にいたまま鳴らすことができたら、命を助けようという蛇の言葉に、これまでと観念した源太。
 しかし、そのとき古寺の鐘の音が響いてきます。

 源太とおキジが一緒になり、秋祭り近くに町に買い物にいくところでは、2年が経過しているのですが、そのことが判明するのは、蛇のセリフのところ。

 セリフの行間は読む人にまかされるので、とっつきにくいところがありそうです。

 買い物の往復に、3日もかかるというのが、お話の世界です。

 絵は幻想的です。