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雉女房/作・村山亜土 絵・柚木沙弥郎/文化学園 文化出版局/2012年初版
文がシナリオみたいと思ったら、もとは舞踏劇の台本というので納得しました。
登場人物は3人のみ。
ある日、一人暮らしの百姓の源太が蛇に襲われた雉を助けます。その後、源太の家におキジという娘が現れ、一緒になることに。
子どもも生まれ、秋祭りが近くなったころ、源太は町に買い物にでかけます。帰り道、近道しようと道に迷ってしまい、とある家に一晩泊めてほしいと頼みます。この家にはおゆうという女が。このおゆうは、源太に殺された蛇の化身。
遠くにある古い荒れ寺の釣鐘を、家にいたまま鳴らすことができたら、命を助けようという蛇の言葉に、これまでと観念した源太。
しかし、そのとき古寺の鐘の音が響いてきます。
源太とおキジが一緒になり、秋祭り近くに町に買い物にいくところでは、2年が経過しているのですが、そのことが判明するのは、蛇のセリフのところ。
セリフの行間は読む人にまかされるので、とっつきにくいところがありそうです。
買い物の往復に、3日もかかるというのが、お話の世界です。
絵は幻想的です。