魔法の筆/作: ホン・シュンタオ 絵: ワン・レイミン もりずみ かずひろ・訳/ほるぷ出版/1981年初版
絵を描くことがたいへん好きだったマーリャンは家が貧しくて絵筆もかえません。
地面や川辺の砂、家の壁に絵をかいていました。
ところがある日、白いひげをのばした仙人から、不思議な絵筆を手に入れます。
この絵筆でにわとりをかくと、本当ににわとりが飛び出してきました。
子どもとおじいさんが二人で鋤をひいているのをみたマーリャンが牛をかくと、牛は田んぼに入って鋤をひきはじめます。
村の貧しい人のために絵を描いていたマーリャンでしたが、役人に金の小判をかくようにいいつけられます。
貧乏な人しか相手にしないとマーリャンがことわると、牢に入れられてしまいますが、マーリャンは、牢に戸をかき、牢屋に閉じ込められていた人とにげだします。
このあとも悪役人との駆け引きが続きます。
子どものころ読んで大好きだったという方もいらっしゃるのですが、出版から35年経過していますから、うなずけます。
マーリャンは、自分のためにではなく、貧しい人のために絵をかきつづけるのですが、その後絵筆はどうなったのでしょう。