こんや、妖怪がやってくる/君島久子・文 小野かおる・絵/岩波書店/2014年初版
中国の少数民族トウ族の再話です。
むかし、ある村にざんばら髪に、青黒い顔、するどいきばで、馬でも牛でも手あたりしだい食べてしまうという妖怪がいました。
あるばん妖怪はおばあさんが大事にしていた子牛を一飲みにすると、明日はおばあさんを食いにくるといいのこします。
今夜おそろしい妖怪が自分を食べにくると泣くおばあさんですが、だいじょうぶ,きっと助けてあげるからと,たまご,ぞうきん,かえる,こん棒,火ばさみ,牛のふん,石のローラーが力を合わせて迎え撃ちます。
とてもユニークな面々です。ひとつひとつの力は弱くてもまとまれば大きな力になります。
「さるかに合戦」に似た後半部です。
一度「魔物」って何といわれはっとしたことがありました。子どもには、魔物というより妖怪のほうがなじみやすいのかもしれません。
この絵本の妖怪はどことなく憎めません。ゴツゴツした岩の山の雰囲気が印象に残りました。