ふくろにいれられたおとこのこ/山口智子・再話 堀内誠一・画/福音館書店/1982年こどのとも発行
フランスの昔話の再話です。
オニが男の子を袋にいれて家に帰る途中、のどがかわいて袋をおろし、川におりていったすきに、男の子はハサミで袋を切って、外に飛び出し、袋には石ころを詰めておきます。
おかみさんに大なべを用意させ、袋の中身をあけると・・・・。
男の子の名前はピトシャン・ピトショ。
男の子、オニがでてくるとどうしてもかかせないのが、オニのおくさん。一見魔女風です。大なべに袋の中身をあけると石ころがでてきて、オニのおくさんのながい鼻にぶつかって、鼻を包帯しています(文にはありません)。
堀内さんの画はシャレた感じです。オニの家は三角屋根で、丸い窓が両側にあり、ドアが鼻という顔のイメージです。
袋に入れられた男の子がタイミングよくハサミをもっていたり、せっかく袋から逃げた男の子が、オニの様子をみるため、オニの家の煙突のうしろにかくれるなど、いろいろ突っ込みたくなるのですが、お話の世界をまるごと楽しめます。
冒頭のイチジクがあっという間に大きくなるのは「ジャックと豆のつる」そのもの。
オニが男の子に、どうして屋根に登ったかときき「大なべぜんぶと、こなべ ぜんぶと、おさらぜんぶ つみあげて、のぼったのさ」というのを鵜呑みにして、転げ落ちるのですが、やはりオニは憎めません。
男の子の名前も楽しいのですが、オニのおくさんは「カトリーヌ」と若い美女風です。