どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふくろにいれられたおとこのこ・・フランス

2017年04月28日 | 絵本(昔話・外国)


   ふくろにいれられたおとこのこ/山口智子・再話 堀内誠一・画/福音館書店/1982年こどのとも発行

 フランスの昔話の再話です。

 オニが男の子を袋にいれて家に帰る途中、のどがかわいて袋をおろし、川におりていったすきに、男の子はハサミで袋を切って、外に飛び出し、袋には石ころを詰めておきます。

 おかみさんに大なべを用意させ、袋の中身をあけると・・・・。

 男の子の名前はピトシャン・ピトショ。
 男の子、オニがでてくるとどうしてもかかせないのが、オニのおくさん。一見魔女風です。大なべに袋の中身をあけると石ころがでてきて、オニのおくさんのながい鼻にぶつかって、鼻を包帯しています(文にはありません)。

 堀内さんの画はシャレた感じです。オニの家は三角屋根で、丸い窓が両側にあり、ドアが鼻という顔のイメージです。

 袋に入れられた男の子がタイミングよくハサミをもっていたり、せっかく袋から逃げた男の子が、オニの様子をみるため、オニの家の煙突のうしろにかくれるなど、いろいろ突っ込みたくなるのですが、お話の世界をまるごと楽しめます。

 冒頭のイチジクがあっという間に大きくなるのは「ジャックと豆のつる」そのもの。

 オニが男の子に、どうして屋根に登ったかときき「大なべぜんぶと、こなべ ぜんぶと、おさらぜんぶ つみあげて、のぼったのさ」というのを鵜呑みにして、転げ落ちるのですが、やはりオニは憎めません。

 男の子の名前も楽しいのですが、オニのおくさんは「カトリーヌ」と若い美女風です。


はるになったら

2017年04月28日 | 絵本(外国)

    
   はるになったら/シャーロット・ゾロトウ・作 ガース・ウィリアムズ・絵 おびかゆうこ・訳/徳間書店/2003年

 ちいさな女の子がちいさな弟に話しかけます。
   はるになったら、おはなを たくさんつんできて、はなたばを つくってあげる
   ゆきが いっぱい つもったら、ゆきだるまを つくってあげる
   かぜがふいたら、びんのなかに つかまえてきてあげる あついひに おうちのなかで、すーと にがすの
   うみにいったら、まきがいを ひろってくるわ。なみのおとを きかせてあげる。

 女の子の優しい気持ちがいっぱいです。

 「夢のなかにおばけがでてきたら、助けに行くわ」・・うーん。

 二人だと、どうしても下の子に手がいって、上の子はひがみ?がち。でも、このお姉さんは・・・・。

 子育てにつかれたお母さん、お父さんを原点にもどしてくれそうです。