おばあさんのすぷーん/神沢利子・作 富山妙子・絵/福音館書店/1969年初出1970年
おばあさんが大切に磨いていつもぴかぴかに光っていたすぷーん。
ところが、おばあさんが小川で洗ったすぷーんを落としたすきに、からすがつかんで逃げ出しました。
からすは、宝物にして木のまたに隠し、落ち葉をかぶせておきました。それっきり、からすは すぷーんのことは忘れてしまいました。
ところが、木の葉が散って雪が降り、風に吹かれてすぷーんは地面に落ちてしまいました。
このスプーンを見つけたのはでぶちんねずみ、やせっぽねずみ、ちびすけねずみの3びき。
すぷーんであそんでいると、すぷーんが すべりだし、あわてておいかけ、そのまま ちゅっく ちゅっく ちゅり ちゅり きっく きっく たのしいな と すぷーんで そりすべり。すぷーんの そりが ジャンプして おばあさんの家に とびこんこみました。
よろこんだおばあさんは、ねずみたちに たべものを あげ おしゃべりです。からすが びっくりするように、まどから のぞいています。
発行時期が時期だけに、色は抑えられ素朴な感じがします。ぴかぴかにひかっているすぷーんをのぞいて、ねずみも 楽しんでいます。
おばあさんは、山のなかの小さな家に、ひとりずまい。ねずみとともだちになれて、冬をのりこえられそうです。