まゆと ブカブカブー/富安陽子・文 隆矢なな・絵/福音館書店/2001年月刊こどものとも
やまんばのむすめのまゆが、雨で どろどろになりながら歩いていると、いたちやノウサギが、あかいぼうしをかぶったブカブカブーをみたと、おおさわぎ。カラスも、ブカブカブーをみたといい、うっかりすると、くわれるぞと、叫びながらとんでいってしまいました。
濃い霧の中、まゆが、林をどんどんすすんでいくと、やまぶどうの しげみがありました。そのやぶの向こうに、大きな大きなぼうしが、にゅっと のぞいていました。まゆは。ブカブカブーとおもい、あいさつしましたが、ブカブカブーはなにもこたえません。林の中を、しめった かぜが ふきぬけて、しろい霧をゆらすと、とつぜん ブカブカブーが ダンスを おどります。「おどってないで、へんじをしてよ!」と どなっても こたえません。まゆが はらをたてて、おおきく 息を吸い込み、ブカブカブーのぼうしを ぬがそうと おもいっきりジャンプして、とびかかると、ブカブカブーは、地面の上にたおれ、あかいぼうしから、しろいけむりが、ふきだしました。まゆが、ちかづいてみると・・・。
こわそうなブカブカブーがでてきて、どんな怪物がでてくるかとおもいきや、いがいと 身近にあるもの。
やまんばのむすめとあって、怖いもの知らずのまゆ。やまんばかあさんは、雨の中、散歩に出かけるまゆに、「みずたまり みつけたら、できるだけ どろはねが あがるように とびこむんだよ」と、豪快。しかし絵では、いたって普通?
あかいぼうしをかぶったブカブカブーと、あかいながい髪の まゆです。裏表紙も楽しく、季節感もあります。