豆っ子太郎/作・川崎大治 画・岡野和/童心社/1979年(16画面)
「子どもがひとりほしいもんじゃのう」とはなしあっていたじいさまとばあさまがさずかったのが、丸太から生まれた豆粒ほどの小さな小さな男の子。
何年たってもちっとも大きくならなかった豆っ子太郎は、馬の耳のなかへのって、山へ じいさまの弁当をとどけにいった。馬が一人で歩いているのを見て、旅の者ふたりが、不思議に思って、あとから こっそりついてきた。
旅の者は、豆ほどの太郎を見て、見世物にしようと、じいさまに百両で売ってくれるよう頼みます。じいさまは、なんぼ銭もろうても 売ることはできないと断りますが、太郎が、「うんなされ。うんなされ。」と、いうので、思い切って豆っ子太郎を 売ることにしました。
豆っ子太郎は、村はずれまでくると、草の中へとびおりた。小僧が、急にいなくなったので旅の者は、お互いに独り占めしようとしたと大騒ぎ。そのあいだに藁小屋の藁にもぐりこんだ豆っ子太郎は、いつのまにやら、ぐっすり眠りこんでしまいました。
ところが、牛が藁を食べたので、豆っ子太郎は 牛のはらのなかへ。牛が次から次へと藁を食べるので、くるしくなった豆っ子太郎が、大声を出すと、家の主人が ばけものじゃと 牛をころしてしまいます。そのはらわたをみつけたオオカミが、ぱくりと食べたので、豆っ子太郎は、こんどは、オオカミのはらのなかへ。
豆っ子太郎が、おじいさんとおばあさんが、ごちそうをつくって、まっているとオオカミにいうと、おおかみはよろこんで、走っていきますが、じいさまの まきざっぽう、ばあさまの しんばりぼうで、さんざんに ひっぱたたかれて、ひっくりかえってしまいます。と、オオカミのくちのなかから、すぽーんと豆っ子太郎が とんででた。
1979年の発行で、16画面とやや長めですが、話が、次から次へと展開するので、飽きずに見られそうです。