どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちいさな木

2023年12月16日 | 絵本(日本)

    ちいさな木/角野栄子・作 佐竹美保・絵/偕成社/2023年

 

 つなをくいちぎって家出したという犬のゴッチにさそわれて、歩き出したのは、ちいさな木のキッコ、それから途中で、岩のイワオ、沼のイッテキが 一緒に歩きだし、はらっぱの真ん中で、暮らすことに。しかし、犬のゴッチは、「ここは、ぼくの すきなところじゃ ないな」と、どこかへ いってしまいました。

 動くはずがない木や岩、沼があるきだしたのは、すきなところをみつけるため。動けないというと、「やってみなくちゃ わからないよ」「やりたいことは やればいい」「だいじょうぶよ。いきたければ、いけるわ」と、声掛けしていきます。

 冷たい風雨のなか、前を向いて歩ていきます。

 ゴッチは、スタン スタン スタン

 キッコは、イッポ イッポ イッポ

 イワオは、ゴロンチョ ゴロンチョ ゴロンチョ

 イッテキは、ポチョンチョ ポチョンチョ ポチョンチョ

 

 じぶんさがしの旅だったでしょうか。ちょっと背中をおされ、一歩を踏み出し、居場所を探し出します。ただ、ゴッチだけは、そこが すきなところでなかったようで 別の居場所へ むかいます。

 今年(2023年)の出版には珍しくモノトーンの絵。木の葉だけが みどりです。