ちいさな木/角野栄子・作 佐竹美保・絵/偕成社/2023年
つなをくいちぎって家出したという犬のゴッチにさそわれて、歩き出したのは、ちいさな木のキッコ、それから途中で、岩のイワオ、沼のイッテキが 一緒に歩きだし、はらっぱの真ん中で、暮らすことに。しかし、犬のゴッチは、「ここは、ぼくの すきなところじゃ ないな」と、どこかへ いってしまいました。
動くはずがない木や岩、沼があるきだしたのは、すきなところをみつけるため。動けないというと、「やってみなくちゃ わからないよ」「やりたいことは やればいい」「だいじょうぶよ。いきたければ、いけるわ」と、声掛けしていきます。
冷たい風雨のなか、前を向いて歩ていきます。
ゴッチは、スタン スタン スタン
キッコは、イッポ イッポ イッポ
イワオは、ゴロンチョ ゴロンチョ ゴロンチョ
イッテキは、ポチョンチョ ポチョンチョ ポチョンチョ
じぶんさがしの旅だったでしょうか。ちょっと背中をおされ、一歩を踏み出し、居場所を探し出します。ただ、ゴッチだけは、そこが すきなところでなかったようで 別の居場所へ むかいます。
今年(2023年)の出版には珍しくモノトーンの絵。木の葉だけが みどりです。