どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

みずたまのチワワ

2023年12月27日 | 絵本(日本)

   みずたまのチワワ/井上荒野・作 田中清代・絵/福音館書店/2023年(初出1997年)

 

 ある朝、アームーという女の子が、水玉模様のチワワ(子犬)を見つけました。

 いそいで縁側に出てみると、しろいシーツに 水玉模様がうつっていました。

 花壇に行ってみると、水玉模様のチューリップが咲いていて、じょうろで水をかけると、テントウムシが 一斉に とびたちます。

 テントウムシを追いかけていくと、また水玉のチワワ。

 つつじの垣根をのりこえたチワワをおいかけていくと、そこは水玉の町。道路、川、木、空、家の屋根も塀も水玉模様。チワワが、ふりむいて「くすっ」とわらったので、アームーはこわくなって、いちもくさんに、家にとびこみました。

 お母さんから言われ、鏡を見ると、アームーの顔も 水玉。どろんこが 顔いっぱい はねかえっていたのです。

 

 町の中が、全部水玉模様の光景で、不思議な町です。チワワが水玉に変えたのでしょうか? それともたんに幻想だったのでしょうか?

 町には高い建物がなく、木造家屋がつらなっています。チワワは、どこからきて、どこへ去っていったのか?。疑問符がいっぱいでした。