マディバ・マジック/ネルソン・マンデラ・編 和爾桃子・訳/平凡社/2023年
あのネルソン・マンデラ!が選んだ子どもたちのためのアフリカ民話とあります。
スルタンは、お抱えバイオリン弾きが、きれいな音楽を数日ぶっとうしで聴かせてくれると、それにも飽きて、すぐにバイオリン弾きの首をきってしまう王さま。
ハープ弾きも、すぐ耳について、首をはねられてしまう。ほかにもおおぜいの人が、気晴らしに呼ばれるが、スルタンは、すぐに首をはねてしまえという。
ところが蛇使いのセラムは、わざわざ宮殿に出かけ、蛇を笛であやつり、自分の両足や首に巻きつかせた。ここでもスルタンは、「もうその笛にも蛇たちにも飽きた。だから首をきらせるからな」という。セラムがあと一回だけ機会をくださいというと、スルタンは、「動物に乗りながら歩いてくれば、機会をあたえる。」という。
つぎの日、セラムは、見たこともないちいさなロバにのって歩いてきた。
つぎにスルタンは、首切り役人に引き渡されたくなければ、三つの質問に答えるようにいい、「天の星はいくつか?」たずねました。
セラムのこたえ。「天の星は、このロバの体の毛からしっぽの毛を差っ引いただけでございます。なんでしたらごじぶんで数えてごらんなさい」
つぎのサルタンの問い。「わしは、大地のどのへんにいる?」
セラムの答え。「どまんなかです」
つぎのサルタンの問い。「わしのあごへげは何本ある?」
セラムの答え。「このロバのしっぽの毛とぴったり同じです。おひげを切ってくだされば、ロバのしっぽも切ってさしあげますよ」
三つの質問に答え、セラムは黄金の袋をもらうと、ちいさなロバにのって、宮殿の門からでていきました。
なぞなぞの答えが、いまひとつでしょうか。 この後、スルタンは首を切ることをやめたかどうか?