まのいい りょうし/小沢正・文 飯野和好・画/教育画劇/1996年
同じタイトルの瀬田貞二、赤羽末吉版の絵本がありますが、最後に、ほんとに ほんとに まが いい展開。飯野さんの絵も武骨な感じの猟師で圧倒されます。
猟師なのに、鉄砲を撃っても、いちども 獲物にあたったことがない どんべえさん。なぜかこの日は、大当たり。
鉄砲の玉が とんでもない方向にとんだと思ったら、あっちこっちへ はねかえったあげく、いのししのおしりにこつん。おこったいのししに追われ、木の上にのぼると、いのししは、木の根っこに頭をぶつけ、どたん。
木のそばにふじつるをみつけ、いのししを しばろうと ひっぱると クリの実が ぱらっ ぱらっら。袋に入らないほど クリの実を袋に入れて、川の丸木橋をわたりはじめて、川の中へ ぽちゃ-ん。
川の中で、木の根っこのようなものに さわると、それは、ウサギの足。さらに、地面から なにかが とびだしているのに気がつき、ひっぱってみると 大きな 山芋が ずるっ ずるっ。おなかのあたりが もぞもぞ しているので、ふところをみると 大きな鯉。
「なあんて なあんて まが いいんだろう」と、帰る途中、長者どんから、うるさいカラスを うちおとしてもらいたいと、いわれ 鉄砲に 水が入って つかいものに ならないからと、ことわると、弓で うちおとせという。
大きな弓の つるを ひきしぼり、「ええーいっ」と、はなつと、弓はとんでない方向へ。ところが ところが この矢が 宝物を盗んで 逃げ出そうとした 泥棒の 風呂敷をつらぬいて、そのまま 泥棒もろとも 蔵の壁に宙ずり。
名人と見込まれた どんべえさんは、長者のむすめと いっしょになり、長者のあとを つぎます。
「まが いい」と表現は いまの子は ? となりそうですが、何回も繰り返されるので、そんなに気にならないかもしれません。