チトくんと にぎやかな いちば/アティヌーケ・文 アンジェラ・ブルックスバンク・絵 さくまゆみこ・訳/徳間書店/2018年
チトくんがお母さんの背中におんぶされて市場にやってきました。市場は、子どもたちが店番したり、あかちゃんをだっこする人がいたり。
きょろきょろするチトにバナナうりのアデさんがバナナを6本
暑くなってきて、オレンジうりのフェミさんが、汁気たっぷりのオレンジを5個
おかしうりのモモさんが、おかしを4個
はしゃぐチトに、トウモロコシうりのクンレさんが、やきトウモロコシを3本
しょんぼりするチトに、ココナツうりのテレさんが、ココナツを2つ。
これ、みんな チトが もらったもの。
チトくんはもらったものを1つずつ食べて、残りはお母さんの頭の上の籠にいれていきます。
しかし、お買い物に夢中のお母さんは、ちっとも きづきません。
頭の上のかごには、お母さんが買ったお米やヤシ油、トウガラシ、サンダルもはいって、だんだん重くなっていきます。かごを、したにおろしたお母さんは、買っていないものが、はいっていてびっくり。「それは みんな ぼうやに あげたんですよ!」という、みんなの声で、もらったものを チトが そのまま ぜんぶ かごに のせてくれたと思ったお母さんはにっこり。
もらったものを一つづつ食べたチトくんは、おなかいっぱい。でも気がつかないお母さんは「チトはお腹がぺこぺこなはず」と心配しながら、バイクタクシー(車でなくバイクです!)にのりこみます。
バナナや油、魚など、たくさんの荷物を頭にのせた女性がいて、暮らしがいきづいている市場。市場のみんなのやさしさに、心があたたかくなります。
絵もカラフルで、市場のにぎやかさが伝わってきます。頭に乗せた籠のバランスがうまくとれるものだと感心。
舞台はナイジェリアですが、市場の主役が女性と子どもというのもかわらないのでしょうか。