どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

チトくんと にぎやかな いちば

2022年05月13日 | 絵本(外国)

    チトくんと にぎやかな いちば/アティヌーケ・文 アンジェラ・ブルックスバンク・絵 さくまゆみこ・訳/徳間書店/2018年

 

 チトくんがお母さんの背中におんぶされて市場にやってきました。市場は、子どもたちが店番したり、あかちゃんをだっこする人がいたり。

 きょろきょろするチトにバナナうりのアデさんがバナナを6本

 暑くなってきて、オレンジうりのフェミさんが、汁気たっぷりのオレンジを5個

 おかしうりのモモさんが、おかしを4個

 はしゃぐチトに、トウモロコシうりのクンレさんが、やきトウモロコシを3本

 しょんぼりするチトに、ココナツうりのテレさんが、ココナツを2つ。

 これ、みんな チトが もらったもの。

 チトくんはもらったものを1つずつ食べて、残りはお母さんの頭の上の籠にいれていきます。

 しかし、お買い物に夢中のお母さんは、ちっとも きづきません。

 頭の上のかごには、お母さんが買ったお米やヤシ油、トウガラシ、サンダルもはいって、だんだん重くなっていきます。かごを、したにおろしたお母さんは、買っていないものが、はいっていてびっくり。「それは みんな ぼうやに あげたんですよ!」という、みんなの声で、もらったものを チトが そのまま ぜんぶ かごに のせてくれたと思ったお母さんはにっこり。

 もらったものを一つづつ食べたチトくんは、おなかいっぱい。でも気がつかないお母さんは「チトはお腹がぺこぺこなはず」と心配しながら、バイクタクシー(車でなくバイクです!)にのりこみます。

 バナナや油、魚など、たくさんの荷物を頭にのせた女性がいて、暮らしがいきづいている市場。市場のみんなのやさしさに、心があたたかくなります。

 絵もカラフルで、市場のにぎやかさが伝わってきます。頭に乗せた籠のバランスがうまくとれるものだと感心。

 舞台はナイジェリアですが、市場の主役が女性と子どもというのもかわらないのでしょうか。


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