くずのはやまのきつね/大友 康夫・作 西村 繁男・絵/福音館書店/2009年
特製版の前に、1974年に月刊「こどものとも」として出版されています。
何年も米がとれず、草や木の根を食べていた、くずのはやまのふもとの村。
「むかしは、くずのはやまの きつねが嫁入りする年は、米がいっぱい とれたもんだが」という、ねたきりのじいさまの話を聞いた、たみぞうとごさくが、よめいりをたのもうと、くずのはやまに でかけます。
毎日のように、山に入ったたみぞうとごさくがみたのは、たくさんの炎。
としよりぎつねが「皆の衆に あつまってもらったのは、ほかでもない。来年の秋に、わしのところの まごむすめが、よめいりをすることになった。いまから よめいりじたくに とりかかってくれまいか。」といったのを聞きます。
村の人に、きつねのよめいりが あるぞ!と、つたえた二人。
言い伝え通り、翌年は、久し振りに豊作に・・・・。
藁ぶき屋根、屋根には重しとして石、田んぼは区画整理されておらず、村の人が総出で田植え、草取り、稲刈りと、日本の原風景が描かれています。
今はほとんど機械化されていますが、この絵本をみながら、ちょっと昔の稲を育てる苦労などを話してあげられそうです。
きつねの嫁入りの場面も素敵です。