オオカミが登場する昔話というと、グリムの「オオカミと七匹の子ヤギ」、「赤ずきん」、イソップの「うそつきの子ども」、日本でいえば「ふるやのもり」でしょうか。
・ヤギとオオカミ・・アフガニスタン (アジアの昔話6/松岡享子・訳/福音館書店/1981年初版)
ヤギとオオカミというと「オオカミと七匹の子ヤギ」ですが、アフガニスタン版では、子ヤギ三匹を食べられてしまった母さんヤギが、オオカミと勝負します。
ヤギはたっぷりのミルクをもって、鍛冶屋のところにいって角をするどく研いでもらいます。
オオカミも牙を研いでもらいにいきます。食糧がたっぷり入っているというオオカミのことばでしたが、袋に入っていたのは石ころでした。怒った鍛冶屋は牙を研ぐふりをして、オオカミの牙を一本残らず抜いてしまいます。
勝負の結果はあきらかで、ヤギがオオカミの腹を突き刺すと、三人の子ヤギが無事に飛び出してきます。
グリムは、子ヤギが食べられるまでいろいろやりとりがありますが、アフガニスタン版では、すぐに食べられるところからはじまります。どちらも食べられたはずの子ヤギが無事だったというあたりが昔話です。
オオカミは肉食で、西洋の昔話では悪者のイメージですが、日本では、畑の作物を食い荒らすシカやウサギ、タヌキを追い払ってくれる存在でした。
狩猟民族と農耕民族の違いでしょうか。
ところで、アフガニスタンというとタリバンを思い浮かべますが、その後について、報道がすくなくなっているのではないでしょうか。
内戦が続き、空爆の影響もいまはどうなっているのかきになります。
小学校就学率29%、成人識字率32%、乳児死亡率165人(千人当たり)という数字がありましたが、この数字が今のアフガニスタンの現状をしめしているのかもしれません。
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