どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ポピーとマックス ものまねだいすき

2020年01月05日 | 絵本(外国)

   ポピーとマックス ものまねだいすき/リンジー・ガーディナー・作 石津ちひろ・訳/小学館/2002年

 

 人形のようなポピーと犬のマックスが、キリンやアヒル、ペンギン、トラ、ヒョウ、フラミンゴ、カンガルーのまねをしてどうどうとあるいたり、よちよちあるいたり、ガオーとほえたり、たかーくジャンプしたりと ものまね。

 左ページにポピーとマックス。右のページに動物。

 ページごとにポピーの着ているものの色がかわり、最初と最後は同じ洋服です。

 カンガルーのまねをして、ピョ-ン ピョーン はねる ポピーの洋服のおなかのポケットには、人形の赤ちゃんも一緒。

 絵も親しみやすく、小さい子にはすぐ受け入れられそうです。


長い長いお医者さんの話・・カレル・チャベック

2020年01月04日 | 創作(外国)

    長い長いお医者さんの話/カレル・チャベック・作 中野好夫・訳/岩波少年文庫/1952年初版

 

 チェコのカレル・チャペック(1890-1938)の童話集で、兄のヨセフが挿絵をかいていて、表題の「長い長いお医者さんの話」のほか8編。初版が1952年とだいぶ前ですが、はじめて読みました。

 ずっと大昔、ヘイショヴィナ山にマジャーシュという魔法つかいが住んでいました。よい魔法使いもあれば、悪い魔法つかいもいますが、マジャージュは、ちょうど真ん中ぐらい。

 ウメの実をポリポリかじっていたマジャーシュは、間違って種ごと飲んでしまってウメの種がのどにつまって声が出なくなってしまいます。
 苦しそうなマジャーシュの様子を見て、弟子のヴィンチェクは大慌て。フロノフのお医者さんを呼んできますが、声も出せないマジャーシュを見て、フロノフのお医者さんは、これは大分重い病気で、すぐに手術をしなければ命にかかわる、ただ一人では手が回らない。もし手術の決心がついたら同僚をよび、手術会議を開くことにするといいます。

 ほかの三人の医者がくるまで、たいくつまぎれにフロノフの医者は、ソリマンのお姫さまの話をはじめます。

 ソリマンのお姫さまは、なんのまえぶれもなく、元気がなくなっていたのです。
 魔法使い、占い師、巫女、八卦見、陰陽師、祈祷師、天文学者、神主さん、お医者さん、やぶ医者などなど国中の人間が呼び集められますが、誰もお姫さまの病気を治すことが出来ません。
 ひとりの旅商人からヨーロッパから医者をよぶことをすすめられた王さまは、「ほんとうにえらいお医者には名前の前にドクトルがつく」というのをたよりに、ヨーロッパに使いをだします。ソリマン国使節団は、間違って木こりのドルヴォシュテープをドクトルと勘違いして連れてきます。

 ドルヴォシュテープじいさんが、病気をなおせないというと、王さまは「姫の病気をなおせないなら首を切る」とまでいいだしました。

 城のまわりの木がしげっていて御殿の中はてんで日が当たりません。これじゃ部屋もじめじめして、カビが生えたり、虫食いができたりするだろうとドルヴォシュテープじいさんは、御殿をかこんでいる木立を一本一本きりたおしはじめます。

 腕をいかし、日当りをよくすると、お姫さまの病気がころりとなおってしまいます。たしかに医者よりも環境の方が大事です。

 四人の医者がそろい見立てがはじまると、急性ウメタネ炎、ウメマク炎、タネ性カタルとそれぞれが見立てますが、結局は四人の見立てをつけた急性ウメタネマク気管支カタルと結構無責任な決定。

 それでも、すぐに治療がはじまるのでなく、コステレツの医者が人々を脅かして楽しんでいた妖精のヤカマシ小僧の病気を治してやった話をはじめます。

 耳までさけた口にボロぎれをまきつけた小僧が声が出なくなってやってきました。

 しめっぽい森の中で人を驚かそうとするのがそもそもダメで、おばけのまねをやめて、日当りの良いところに引っ越ししたら、のどの病気もよくなるだろうといわれたヤマカシ小僧は、何年かたってから政治家になって、とんとん拍子に成功して国会議員になって、はぶりをきかしているという。

 政治家の素性もさぐってみればうさんくさいというのが相場です。

 ヨウダルという年よりカッパが風邪かインフルエンザらしい症状で、ハヴァロヴィツェの医者のところにやってきます。医者はリュウマチだから、からだをあたため、しめりっけを遠ざけるように言いますが、カッパは水なしにはいきていけません。

 医者は温泉をすすめます。温泉はリューマチでこまっている年よりがッパのために、とくに神さまがつくってくださったものだときっぱり。それから温泉ガッパは地の底からお湯をくみ上げているので、世界中からリューマチの人間が湯治にでかけてきます。

 ホルシチュキの医者は、ダンスをしていて月の光につまづいて足を痛めてしまった妖精に、トンボのハネについているヒラヒラのうすい膜と、お月さまの光の青の光線をぬきだして包帯がわりにつかいなんとか治療してあげます。

 さらに医者は、妖精がまだこんなところにいるのかわけがわからない、ほかの妖精はハリウッドにでかけ、さかんに活躍していることを話し、映画のことを考えるようにいいます。

 それ以来、このあたりには妖精がひとりもいなくなってしまいます。

 本家本元の妖精を、映画に登場させてもうけたハリウッドにたいするあてつけです。

 ところで、ウメの種をつまらせた肝心のマジャーシュさんは、背中をおされて無事、種がでてきてもとどおりに。

 魔法使いがのどに種をつまらせるところからはじまるので、このまますすんでいくかと思いきや、四人の医者をあつめるための舞台設定だったようです。たしかに長い長いお医者の話でした。

 魔法使いにたいする医者のすすめも現代風です。サハラ砂漠に行って、おとくいの魔法で作物が実るよう工夫するようすすめ、みんなが大きくなるころは村や町ができあがっているかもしれないと結びます。


義母と娘のブルース 2020年新年スペシャル

2020年01月03日 | 日記

 2日に放送された「義母と娘のブルース 2020年新年スペシャル」。

 以前に放送された最終話では、大阪にいく宮本亜希子が切符をわすれて取りに戻り、でてきた切符には「東京-東京」。

 今回のスペシャルもこの先まだ続くような終わり方でした。

 綾瀬はるかが、お腹の絵に合わせて踊る「腹芸」や赤ちゃんに振り回されるようすがコミカルに展開しましたが、赤ちゃんを育てる苦労が身に染みた亜希子が、会社再建のビジネスの要として提案する場面もキャリアウーマンらしさがでて、ギャップも楽しめました。

 出演者の息もぴったり。

 じつは、今旬の女優さん、例えば石原ひとみ、深田恭子、新垣結衣などが、宮本亜希子役をやったらどうなるかを想像しながらみていたのですが、このドラマは、ほかの女優さんではイメージがわかない感じでした。


ねむいねむいねずみと どろぼうたち

2020年01月03日 | 絵本(日本)

    ねむいねむいねずみとどろぼうたち/佐々木マキ/PHP研究所/2010年

 

 単純ですが、ストーリーは、ほのぼのしています。

 旅をしていたねずみが、一日歩いてくたびれ、どこかでぐっすりねむりたいと思っていると、小さな小屋を見つけます。だれもいない小屋の中のだんろの前で見つけたくつしたの中でうとうとねむりかけたとき、だれかにぎゅっと踏んづけられます。見ると、あやしい男がふたり。ひとりはふとっちょ、もうひとりはちびっこいの。

 ふとっちょとちびっこいのが金貨と宝石の分け方をめぐって争いはじめます。

 ねむいところをおこされたねずみは、こっそりふとっちょの右と左のくつひもをむすびつけバケツをカンカンならします。ふとっちょがおどろいて音のするほうへ行こうとすると足が前にでてこない。ふとっちょがテーブルの上にどーんとたおれると金貨と宝石が床にちらばって、ふたりは拾い集めます。どうも金貨が一枚足りず、また争い始めたふたり。

 ねずみが、みずさしをたなから少しずつ前におしていくと、ガターン、ガラガラン!みずさしはバケツのなかに おっこちます。二人が飛びあがっておどろいたはずみにランプの火が消えてしまいます。

 ねずみはこっそりドアのやぶれめからそとにでると、コンコンとドアをノック。だれかがきたとおもった二人はあわててまどから とびだすと 夜の闇の中に 消えていきます。

 ねずみは また くつした にもぐりこんで こんどは ぐっすり。宝石をむねにつけたお母さんの夢をみて、次の朝、また元気に旅をつづけます。

 ねずみくんは 一人旅。どこへいくのでしょうか。この後も どんな出会いや事件?があるでしょうか。

 継ぎあてのある風呂敷?の中身はなにかな?


ねずみとおうさま

2020年01月02日 | 絵本(外国)

   ねずみとおうさま/コロマ神父・文 石井桃子・訳 土方重巳・絵/岩波の子どもの本/1953年

 

 王さまは6歳。初めて乳歯が抜けた晩、母親が、「手紙を書いて抜けた歯と一緒に封筒にいれておくと、きっとペレスネズミがきて、おくりものを おいていってくれる」とはなしてくれます。

 なかなかあらわれないペレスネズミでしたが、顔になにかがさわって、おきあがってみると、麦わら帽子をかぶって、金縁メガネのネズミが。

 王さまは、ペレスの話が面白く、なかなか離そうとしませんでしたが、ペレスはパブロという貧しい男の子のところへいかなければといいます。

 ペレスは一緒に行きたいという王さまをネズミにかえて、パブロという男の子のところにむかいます。

 恐ろしいネコのドン・ペドロの目をかいくぐって、パブロのところへいってみると、壁は崩れ落ち、その隙間から冷たい風がふきこんでいました。母親とパブロがねているのは、ぼろぼろのベッド。王さまは、自分の国のこどもの境遇に心を痛めます。

 ペレスはぴかぴかの金貨を パブロのとれた歯ととりかえます。

 もとの小さな子にもどった王さまが、母親に「貧乏な家の子どもも、ぼくとおなじように「天に まします われらの 父よ」って、神さまに おいのりするのは なぜなの?」ときくと、「その子どもたちは みんな あなたの兄弟よ」と、母親はこたえます。

 「どうして ぼくだけ、おうさまになっているの?」「あなたが あの子どもたちの、一番上の おにいさまだということです。だから あなたは みんなを、幸せにしてあげなければ いけないのですよ。神さまは「お前の 弟や妹たちに これを わけておやり」といって、あなたに いろいろなものを くださるのですよ」と、王さまに諭します。

 神父さんがかかれているので、いのりの場面もあったりして宗教色が強いのですが わかりやすいいといえばわかりやすいお話です。

 日本の為政者にも見習ってほしいものです。 

 絵もネズミのドレスやしっぽに結ばれたリボンが可愛いく えがかれています。

 乳歯を枕下に置いて寝ると、歯の妖精「トゥース・フェアリー」がやってくるともいわれているのは欧米で、アジアの国々では、乳歯を放り投げる風習があったといいます。


ねずみのなるき

2020年01月01日 | 絵本(日本)

 今年の干支はねずみ。というので楽しいねずみの絵本から。

    ねずみのなるき/さとう わきこ/フレーベル館/2001年 

 

 あっとおどろく展開に、なぞのラスト。作者がニンマリ笑っていそうです。

 ネコがネズミをつかまえ「さあ つかまえた たべちゃうぞ!」

 ネコに食べられそうにネズミは「おねがい たべないで! そのかわり ねずみのなるきの たねをあげるからね」。

 これはいいぞと、ネズミがいっぱいなる木を想像し、世話をしていると花が咲き、実もたくさんなって、大喜び。ところが嵐がやってきて残った実が三つ。がっかりしていると、鳥がやってきて追い打ち。とうとう実は一つに。

 でも最後の一つが、ぐんぐん大きくなって、ネズミが ぎっしり つまっているのを 想像していると・・・。

 でてきたのは おそろしく おおきな ネズミ。こんなのって ないよと 大慌てで逃げ出すネコ。

 ところが、最後のページは はずかしそうなネズミがネコによりそっています。これは なに?

 小さな子が大きなネズミが出るところで、泣きだしたようですから、読んであげるときは要注意です。

 ネコの服と木の実がオレンジ色で、あとは黒と非常にシンプル。ポリバケツやドラム缶のローマ字もきになりました。