Mars&Jupiter

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ウィリアム・リーヴァイ・ドーソンのニグロ・フォーク・シンフォニーを聴きながら西谷から二俣川まで歩く

2008-10-12 09:38:37 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩きました。
途中で聴いたのは1899年生まれのドーソンの作品。
(CDの解説書では1898年生まれと書いてあるが、
1899年生まれがどうやら正しいようである。)
今回からは、交響曲北アメリカ編の補足版に入る。
アラバマ州アニストンの貧しい黒人の家庭に生まれた彼は、
13歳の時にタスキーギの教育機関に入り、音楽を知り、
シカゴ音楽大学、アメリカ音楽院で学んだあと、
シカゴ市民管弦楽団でトロンボーン奏者を務め、
1931年から1955年の間にはタスキーギ大学で、
教鞭をとったようで、その間に作曲活動も行った。
主要作品にはヴァイオリン、チェロ、ピアノのための三重奏曲や、
ヴァイオリン・ソナタや合唱曲などあるが、
最も知られているのがニグロ・フォーク・シンフォニーのようだ。

ニグロ・フォーク・シンフォニーは、
1931年に作曲され、1952年に改訂されている。
この年に作曲者は西アフリカへの旅行をしたようで、
そこで体験したアフリカのリズムを活かして改訂したようだ。
この交響曲は、レオポルド・ストコフスキーの指揮、
フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、
1934年11月16日に初演されたようだが、
今回聴いたCDの指揮はストコフスキーで同じだが、
演奏はアメリカ交響楽団によるものである。
第一楽章アダージョ-アレグロ・コン・ブリオは、
「アフリカの絆」という題名がついている。
冒頭ホルンがほのぼのとした民謡調の旋律を奏して始まる。
その後オーボエがその旋律を再び奏し、
その他の楽器が変形したその旋律を引き継いでいく。
やがて別の旋律も登場して展開されていくが、
聴いているとドヴォルザークの交響曲を聴いているかのように
素朴で明るい感じで、金管楽器が活躍し楽しい曲だが、
リズムについてはシンコペーションなど使い、個性的なところがある。
情熱的でどこか懐かしい感じを与えるアメリカらしい音楽である。
最後は打楽器と金管楽器によって華々しく終わる。

第二楽章アンダンテ-アレグレット(アラ・スケルツァンド)は、
「夜中の希望」という題名がついている。
ゆったりとした黒人霊歌風の旋律がオーボエによって奏され、
他の楽器に引き継がれていくが、その物悲しい感じと、
軽快で民謡風ののびやかな旋律が対照的である。
曲はこれらの旋律を繰り返しながら情熱的に進行していくが、
終わりの方で登場する太鼓は、アフリカ的なものなのだろうか。
素朴でありながら、この曲の中では異質で、太古の世界を感じさせる。
第三楽章アレグロ・コンブリオは、
「O, le’ me shine, shine like a morning star!」という題名がついている。
「朝の星と同じように、私を輝かせて!」というような意味だろうか。
これまでに使われた主題を使いながら展開していく。
こういったところは、ベートーヴェンの交響曲第9番の手法である。
しかし、旋律の素材からみるとドヴォルザークの
交響曲第9番にも共通したところがあるといえる。
最後は華々しく明るく終わるが、それにしてもアメリカらしい。
コメント
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