Mars&Jupiter

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ダグラス・リルバーンの交響曲第2番と第3番を聴きながら

2008-10-09 07:27:31 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は急な飲み会が入り、ウォーキングを休みました。
途中で聴いたのは1915年生まれのリルバーンの作品。
ニュージーランドの代表的な作曲家である彼の経歴については、
以前触れたので、ここでは省略したい。
交響曲第2番は1951年に作曲され、1959年初演された。
第1楽章前奏曲(モデラート)は、ゆったりとした曲で、
幻想的であり、北欧風のところは、ニールセン風ともいえる。
交響曲は、雄大なニュージーランドの風景を描写しているようだ。
第2楽章スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
軽快で素朴な民謡風の主題が色々な楽器に引き継がれ、
金管楽器によりアクセントが付けられ、歯切れのいい曲である。
底抜けに明るい音楽は聴きやすいが、中間部のやや暗い音楽が、
対照的な感じでいいし、最後も歯切れよく終わる。
第3楽章導入(ポコ・レント)は、深い悲しみに包まれた曲で、
哀愁漂う旋律は弦楽器と木管楽器を中心に展開されていく。
北欧らしさを感じるような幻想的な楽章である。
第4楽章フィナーレ(アレグロ)は、雄大な自然を描写した曲で、
シベリウスを思わせる作品で、堂々とした主題が提示され始まる。
急な坂や急峻な岩場や日の出のときの雄大な河と平原と地平線、
輝く海がパノラマのように展開する風景を描写した作品である。
ニュージーランドの自然をこよなく愛したリルバーンらしい作品である。

交響曲第3番は1961年に作曲された。
単一楽章制を採り、モデラートからヴィヴァーチェ、
アレグロ、そしてアンダンテ、
アレグロの5つの部分から構成されている。
幻想的な感じで始まる曲は、第2番に比べると現代的で、
聴いてみるとニールセン風なところもあり、
荒々しい部分や木管楽器の扱いなどを注目すると、
さらに円熟した彼の作曲技法を感じ取ることができる。
とはいえ、そこにイメージされるのは自然である。
彼は自然を愛した作曲家なんだなあと感じるのである。
コメント
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