Mars&Jupiter

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ベンジャミン・ブリテンのヴァイオリン協奏曲作品15を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2009-02-24 21:21:33 | 古典~現代音楽イギリス編
今日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
今日聴いたのは1913年生まれのブリテンの作品。
ヴァイオリン協奏曲作品15は、1938年から39年にかけて作曲された。
初演は1940年3月28日ニューヨークのカーネギー・ホールで、
ブリテンの友人アントニオ・ブローザのヴァイオリン、
バルビローリ指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックで行われた。
イギリスでの初演は1941年4月6日である。
その後ブリテンはこれを1950年に改訂を加え、
1958年にも改訂を加えており、その最終稿による演奏が、
今回聴いたCDのイダ・ヘンデルのヴァイオリン、
ベルグルンドの指揮、ボーンマス交響楽団の演奏によるものである。

第一楽章モデラート・コン・モルトは、
ティンパニの5つの音から成る音型の連打から始まる。
管弦楽による短い序奏のあと、ヴァイオリン独奏が入る。
ヴァイオリンが最初に奏するゆったりした旋律と、
もう一つのテンポの速い旋律は対照的である。
ヴァイオリンは展開部で5つの音から成る音型を奏し、
やがてその音型は再びティンパニが刻むようになり、
ヴァイオリンが美しい旋律を奏でる中、消えるように終わる。
第二楽章ヴィヴァーチェは、スケルツォ楽章で、
軽快に荒々しく始まり、滑稽な感じの音楽である。
ヴァイオリンが奏でる音楽はショスタコーヴィチに似ているが、
管弦楽の奏でる音楽はベルリオーズ風でもある。
中間部はヴァイオリン中心に、甘美な旋律を奏でられ、
再び冒頭の荒々しさが顔をのぞかせるが、
途中ヴァイオリンのカデンツァが入り、
ここはヴァイオリン奏者の腕の見せどころだろうが、
ここでも第一楽章冒頭の5つの音から成る音型が登場する。
そしてそのまま途切れなく次の楽章に入る。

第三楽章アンダンテ・レント-ウン・ポコ・メノ・メッソは、
パッサカリア形式であり、メランコリックな感じで始まる。
ヴァイオリン・ソロも感傷的な旋律を奏でていく。
ゆったりとしたテンポの中で作り出される音楽は、
シベリウス風な感じも受ける部分もある。
途中からテンポは軽快になり、舞踏的な音楽になり、
ヴァイオリンのテクニックが発揮される場面も設けられ、
管弦楽が奏でる音楽はやがて情熱的となっていく。
それがいったん静まり、ヴァイオリン・ソロを中心に、
ゆったり歌いあげる音楽となり、管弦楽はそれをやさしく支え、
最後までその感じが続き、盛り上げるコーダとはならず、
静かにヴァイオリン・ソロを中心に消えるように終わる。
協奏曲のお決まりのように最後華やかに終わることはない。
やはりそこがイギリス的なのかもしれない。
コメント
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