Mars&Jupiter

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ジョゼフ・ギー・ロパルツの独唱、合唱と管弦楽のための交響曲第3番ホ長調を聴き、三枚町から西谷まで歩く

2011-01-22 08:14:16 | 古典~現代音楽フランス編
昨日は久しぶりに、ウォーキングをしました。
三枚町から西谷駅まで歩く間に聴いたのは、1864年生まれのロパルツの作品。
ブルターニュのガンギャン(ガンガン)に生まれた彼は、
パリ音楽院でマスネに作曲を師事し、のちフランクにも師事した。
1894年から1919年の間はナンシー音楽院の院長を務め、
その後ストラスブール音楽院の院長に就任し、1929年まで務めた。
交響曲第3番ホ長調は1905年に作曲され、1906年初演された。
独唱、合唱と管弦楽のための交響曲で、ユニークな作品である。
聴いたCDは、フランソワ・ポレのソプラノ、
ナタリー・シュトゥッツマンのアルト、ティエリー・ドランのテノール、
フレデリク・ヴァサールのバス、オルフェオン・ドノスティアッラ、
ミッシェル・プラッソン指揮、トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団の演奏による。
第一楽章「ゆっくりと、次いで生き生きと」は、
弦楽器中心に淡い感じで始まる前奏に続き、
合唱が「夜が明け始まる」と歌い、朝の情景を管弦楽が描写する。
合唱は、太陽が昇り、その光が田畑や森などに注がれ、
自然が目覚める様子を歌い、そのあとは管弦楽だけの部分となり、
その輝かしい太陽の光と、森や田畑の様子が描写されていく。
生命感・躍動感あふれる音楽で、最後も金管楽器により華やかに終わる。

第二楽章「ゆっくりと、次いで極めて速く」は、合唱が最初に歌い始める。
第一楽章で美しい自然の姿を描いたところで、自然に対して、お前の喜びも、
人間たちの苦悩にとってどんな意味があるのかという疑問を投げかける。
生きる理由を求める人間にとっての苦悩が合唱によって歌われていく。
やがて、人間の苦悩が哲学的な思索を思わせるフガートによって示される。
人間の世界における現実と苦悩、そしてそこからの救いを求めて合唱は歌う。
盛り上がりをみせたあとは、スケルツォの部分となり、軽快に旋律が奏でられる。
しかし、そのスケルツォも苦悩に満ちた断片を見せながら、展開していく。
このあたりの主題を扱い方はフランクの影響を受けたこともあってか、
なかなか素晴らしいものであって、フランス的というよりはドイツ的である。
第三楽章「全般的にゆっくりと」は、管弦楽の伴奏にのり4人の独唱で始まる。
気の毒な人間たち、その彼らの悪が自分たちの中にあることを歌い、
憐れな心であることをいい、「お互いに愛し合おうではないか」と訴える。
この「愛し合おうではないか」という言葉は、終楽章の中で何度か繰り返される。
4人の独唱が終わったあとはしばらく管弦楽による優しい音楽が続く。
絶望を思わせる前楽章とは違って、ここではその解決を求めようとする
作曲者の真摯な姿勢を感じ取ることができ、クラリネットやホルンなど、
管楽器が美しい旋律を奏で、明るい希望を予感させてくれる。
弦楽器中心に盛り上げる部分は、確固たる信念、真実と正義を感じさせる。
再び4人の独唱が歌い始め、合唱も加わり高揚感が増していく。
そして愛し合うこと、自然の素晴らしさと真実と正義が歌われ、
金管楽器が輝かしさを加え、最後は管弦楽のみで盛り上がって終わる。
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