Mars&Jupiter

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ネッド・ローレムの交響曲第1番と交響曲第2番を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2008-10-26 09:37:43 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1923年生まれのローレムの交響曲。
略歴については器楽曲・室内楽曲編で触れたので省略する。
交響曲第1番は1948年に第一楽章の作曲にとりかかり、
1950年には完成した作品で、翌51年にはウィーンで、
指揮者ジョナサン・スタンバーグが初演しているが、
その後それほど演奏される機会の少ない作品である。
作曲者自らがいうように交響曲というよりは組曲的な要素が強く、
自由なスタイルで書かれている作品である。

第一楽章マエストーソは、ファンファーレ風の音楽で始まり、
叫ぶような金管楽器の旋律は木管楽器に受け継がれ、
やがて弦楽器が加わり、叙情的で印象主義的な音楽が展開される。
フランスで学んだこともあってか、この曲はアメリカらしくない。
第二楽章アンダンティーノは、木管楽器のソロが活躍する中で
牧歌風の音楽が、おだやかなテンポで展開されていく。
フルートやオーボエのソロが特に美しく感じる。
フォーレのように幻想的で風景描写的でもある。
第三楽章ラルゴは、フルート・ソロから始まるおだやかな曲。
この旋律も美しく、様々な楽器に受け継がれていく。
中間部ものどかな感じで、ゆったりと時が過ぎていく。
三部形式で書かれているようで最初の主題が登場する。
盛り上がりのある部分もあり、フォーレを感じさせる。
最後は美しいフルート・ソロとハープが加わり、
弦楽器の演奏で静かに消えるように終わる。
第四楽章アレグロは、リズミックで軽快に始まる。
第二主題はローレムがモロッコ滞在中、ラジオから聴いたアラブの
結婚式の曲から採ったようなことが、CDの解説書に書いてある。
楽しい感じであるが、終わりにかけてはフィナーレらしく、
金管楽器や打楽器も加わり、華やかに盛り上がって終わる。

交響曲第2番はニコライ・ソコロフというロシア系アメリカ人の
指揮者の委嘱を受けて、1956年にニューヨークで作曲された。
第一楽章大らかに、モデラートは、冒頭の前合奏のあと、
暗く思いつめたような主題が弦楽器を中心にユニゾンで奏される。
この曲の雰囲気は、アメリカ的でロマンティックな部分がある。
その一方で軽快な音楽の部分にはフランス音楽の影響もみられる。
他の楽章が短いのに対し、この楽章だけは長く15分以上かかる。
最後木管楽器群が活躍する中、大きな盛り上がりをみせて終わる。
第二楽章トランクィロは、フルート・ソロで始まる愛らしい旋律は、
いかにもアメリカ的であり、3分ほどの短い楽章ではあるが印象的だ。
力強い部分が金管楽器で奏される一方で、
弦楽器中心に奏される甘い旋律はロマンティックで、
孤独な荒野の中に取り残されたかのような感じでもある。
第三楽章アレグロは、打楽器が荒々しいリズムを叩く中、
軽快な旋律が弦楽器などによって奏され、
ピアノも加わり、リズミカルな音楽が展開される。
3分ほどの短いフィナーレ楽章で、途中盛り上がりを見せるが、
最後は意表をつかれたかのようにあっけないほどあっさり終わる。
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ハワード・ハンソンの交響曲第2番「ロマンティック」と交響曲第4番「レクイエム」を聴く

2008-10-25 06:00:09 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1896年生まれのハンソンの交響曲。
彼の略歴は以前管弦楽編で簡単に触れたので、
ここでは省略するが、7つの交響曲があり、
そのなかでも有名な交響曲は第2番である。
交響曲第2番「ロマンティック」作品30は、1930年に作曲された。
ボストン交響楽団創立50周年を記念して書かれた作品である。
指揮者クーセヴィツキーがハンソンに委嘱したものである。
もちろん、初演はこの指揮者と楽団のコンビによって、
1930年11月28日に行われた。

第一楽章アダージョ-アレグロ・モデラートは、
ソナタ形式の楽章で何か不安を感じさせるような序奏で始まる。
そのあと提示される第一主題は、金管楽器によって力強く奏される。
第二主題は対照的におだやかでロマンティックな旋律である。
展開部では、その二つの主題をもとに展開されるが、アメリカ的である。
再現部のあと、大らかで情熱的な音楽は、最後静かに終わる。
第二楽章アンダンテ・コン・テネレッツァは、三部形式で書かれ、
おだやかでやさしさがあり、ノスタルジックな旋律が印象的だ。
第一楽章の序奏の音楽も奏され、ホルンによる壮大な音楽が続く。
最後は静かに消え入るように終わる。
第三楽章アレグロ・コン・ブリオは、
循環形式で書かれているようだ。
活気のある弦楽器と金管楽器の力強い旋律で始まる。
中間部は勇気付けさせるような堂々とした旋律で、
徐々に勢いをあげていくのが心地いいが、
そこに第一楽章の第一主題が登場するところが心憎い。
そして第一楽章の第二主題も登場し、全体の統一感が示され、
最後は勝利感のある華やかなフィナーレで終わる。

交響曲第4番「レクイエム」作品34は、1930年に作曲された。
「愛する父を偲んで」作曲された作品のようである。
第一楽章「キリエ」は、深い悲しみに満ちた楽章である。
やるせない想いと、過去の楽しい想い出が、
おだやかな雰囲気の中で表現されているように聴こえる。
第二楽章「鎮魂の祈り」は、グレゴリオ聖歌の旋律を使い、
おごそかな死者への祈りの音楽がゆったりと奏される。
第三楽章「怒りの日」は、スケルツォにあたり軽快な曲である。
死の苦しみが表現されているかのような部分がある。
第四楽章「永遠の光」は、静かで安らかな感じで始まる。
しかしやがて音楽は不安な感じの雰囲気になり、
そして第一楽章の「キリエ」の旋律が再現され、
最後は静かに消えるように終わる。
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ルイス・モロー・ゴットシャルクのロマンティック交響曲「熱帯の夜」を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2008-10-24 05:38:47 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1829年生まれのゴットシャルクの交響曲。
彼はニューオリンズで生まれ、
父はロンドン出身のユダヤ商人だったようだ。
幼い頃からピアノの才能があった彼は、
13歳のときに勉強のためにパリに渡り、
パリ音楽院への入学を目指したが拒否されたようだ。
1853年にはアメリカに戻り、そのあと中南米各地を回った。
彼の作風はショパンなどからの影響であるロマン的な音楽と、
国民楽派的なアメリカや中南米の音楽要素を採り入れた、
当時としては斬新な側面がみられるようである。

ロマンティック交響曲「熱帯の夜」は、1859年に作曲されたようだ。
今回は彼自身による管弦楽によるスコアに基づき、
CDの指揮者リチャード・ローゼンバーグが手を加えた完成版で聴いた。
第一楽章「熱帯の夜」は、ホルンの吹奏などにより始まり、
のどかな曲で、ヨーロッパのロマン派的な音楽である。
曲の作り方はドイツ風で堅実な感じではあるが、
オペラの間奏曲を思わせるフランス的な雰囲気もある。
したがって、アメリカらしさというよりは、
ヨーロッパの伝統的な音楽の要素を感じる。
途中、金管楽器が加わり壮大で華麗な音楽になり、
最後はトランペット・ソロが主題を堂々と吹き静かに終わる。
第二楽章「クリオーリョの祭り」は、軽快な曲で、
陽気なシンコペーションのリズムが中南米を思わせる。
打楽器群が加わると途端にキューバ風に聴こえてくる。
ヨーロッパの伝統的クラシック音楽の手法と
中南米の音楽の見事な融合といった感じだろう。
題名の通り、最後は打楽器が再び加わり、
お祭り気分の中で、華やかに終わる。
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ジョージ・アンタイルの交響曲第4番「1942年」を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-10-23 08:20:53 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1900年生まれのアンタイルの交響曲。
CDの解説によるとニュージャージー州のトレントンで、
7月8日小さな靴屋の息子として生まれた彼は、
16歳でコンスタンティン・フォン・ステルンベルクに師事した。
ステルンベルクはリストの弟子の一人であった。
その後ブロッホに師事し、1923年にはパリに渡った。
1926年には作品を発表し、1934年には公式にデビューした。
「アメリカのショスタコーヴィチ」と呼ばれるように、
その曲はショスタコーヴィチとフランスの近代音楽を
ミックスしたような感じがする。

交響曲第4番は、題名通り1942年に作曲された。
第一楽章モデラート-アレグレットの冒頭で奏される旋律は、
いかにもショスタコーヴィチ風である。
これはフルートから始まる主題にもあてはまり、
小太鼓の軽快なリズムに乗って登場する主題は、
フランス的な明るさを持ちながらも軍隊的で、戦争を感じさせ、
タイトルの年が意味する第二次世界大戦中の状況を想起させる。
マーチ風の音楽は、そのような戦争の緊張感を想像させる。
第二楽章アレグロは、叙情的な旋律で始まる。
その主題は様々な楽器に受け継がれていく。
もう一つの主題がみせる映画音楽を聴いているような音楽は、
ロマンティックなところはアメリカの作曲家らしい。
楽章の後半には第一楽章の主題も顔を現わす。
第三楽章スケルツォ(プレスト)は、
ショスタコーヴィチ風のスケルツォである。
軽快な音楽は、滑稽な感じであるが、
フーガ風の展開はこの技量の高さを感じさせる。
最後は冒頭の主題が登場してあっさり終わる。
第四楽章アレグロ・ノン・トロッポは、
サティ風のフランス的な感じを思わせる音楽で始まる。
木管楽器のソロで受け継がれる旋律はショスタコーヴィチ的である。
お祭り気分の明るい旋律と、ショスタコーヴィチ風の
戦争を感じさせる音楽と滑稽な感じの音楽が混ざり合い、
堂々としたフィナーレへと向かっていく。
明るい未来を感じさせながらもそこに影を感じさせながら、
圧倒的な勝利感を思わせるコーダで終わる。
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ジョン・オールディン・カーペンターの交響曲第1番を聴きながら横浜から星川まで歩く

2008-10-22 03:22:26 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1876年生まれのカーペンターの交響曲第1番。
彼の略歴については以前ふれたので省略するが、
彼が作曲した交響曲について触れている話は少ない。
音楽界の時流に合わなかったことや、
日曜作曲家であったこともあって注目されにくかったのだろう。

CDの英文の解説書を参考にすると、
交響曲第1番は、初期の作品の改作であり、
副題が「自然の教訓」が付いている交響曲第1番は、
1916年から17年にかけて作曲されたもので、
そもそも交響曲第1番は長い3つの楽章によるものだった。
指揮者フレデリック・ストックがカーペンターに
シカゴ交響楽団創立15周年の際に委嘱した作品であった。
ここから選んで新しい版として一楽章制の交響曲に改作し、
改作した交響曲第1番の初演は、
1940年10月24日にシカゴ交響楽団の演奏、
フレデリック・ストックの指揮のもとで行われている。
1940年代初めにはフリッツ・ライナーや、
ブルーノ・ワルターなどの指揮者の演奏会で取り上げられた。

曲はモデラート-ソスティヌートの部分は、
ロシアを思わせるようなロマンティックな音楽で始まる。
なつかしさや優しさを感じる音楽は、
やがて金管が加わり活気を持つなどし、
そのあとしんみりとし、ゆったりとした音楽になる。
終わりで激しさを増したあと、幻想的になり、
モデラート・グラツィオーソの部分に入る。
堂々とした音楽に続きオーボエにより情緒的な旋律が奏され、
この旋律は他の楽器にも受け継がれていく。
ワグナー風の音楽が奏され、モデラートの部分に入る。
打楽器などが軽やかなリズムを叩き、夢見るような音楽になり、
その後オーボエ・ソロによる哀愁を持った旋律が奏される。
フルートと弦楽器により始まる甘いモデラートの部分に入り、
ここでは弦楽器による軽快な舞踏的な音楽が奏され、
管楽器が加わり華やかな部分を加えていき、ラルゴの部分に入る。
ここでは冒頭の旋律が再び現れ、音楽はゆったりとした歩調の中、
夢見心地のロマンティックな音楽を奏でていく。
最後は金管楽器を中心に堂々としたクライマックスを築き、
ティンパニの連打の中で静かに終わっていく。
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