西の果ての街

2006-10-22 14:46:38 | 旅行記

明日から、視察旅行にでかけます。行き先は、パリからリスボンへ。なぜこの2都市を選んだかについては、いろいろと理由があるのですが、街がもつ「身体的な」感覚をきちんと把握したい、ということがもっとも大きな理由かも知れません。ある意味では対照的なこの2都市には、その複雑な歴史も含め多くのイメージが語られてきました。それを自分自身のなかで消化したかったのです。

以前ブログで「桜坂の家」に関しコラムを書いたのですが、概念的な造形理論とは別に、街並みのスケール、雰囲気、色、音、など、「身体的な」感覚について、僕は大切に考えています。そして、それらは他人が撮った写真を通して理解することは難しいものです。最終的には自分の体で感じ取る必要があり、建築家にとって旅は不可欠だと言われる理由は、そんなところにもあると思います。

パリ。かつて思想家ヴァルター・ベンヤミンが魅せられ多くの言説を残した街。そしてその彼がナチに追われ、アメリカへの亡命の経由地に選んだとも言われる、西の果ての街リスボン。その途上で自害し、見ることの叶わなかった陽光あふれるメランコリックな街。またこのブログのなかで、僕にとっての2都市のイメージを紹介していきたいと思います。

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