日常使いの湯呑みに、頂き物の萩焼を使っています。素朴な色合いのものが、僕の分と、妻の分と、あわせてふたつ、木箱に丁寧に入れられていました。
萩焼の特色は、焼き締まりが少ないため、表面から茶渋が染み込み(これを「貫入」というのだそうですが)、長く使うにつれて独特の風合いを醸し出すことにあるそうです。
さあ、どんな味わいがでてくるのだろう。楽しみにしながら、ことあるごとにお茶をよく飲みがら毎日観察するのですが・・・。
しばらくすると、最初は見分けがつかなかった2つの湯呑みが、ひとつは不思議な紋様を描きだしてきました!そしてもうひとつは、おかしいな、あまり変化がない・・・?ちなみに変化がないのは、僕の方の湯呑みでした。お茶を飲む回数ならダンゼン勝っているのに!同じように見えても、湯呑みにも個性があるんですね。
もう使い始めて1年ほど経ちます。味わいをすぐに求めすぎたことへの戒めでしょうか、僕の湯呑みは新品の頃とさして変化はありません。それでも、ほんの少しずつ、雰囲気が変わってきました。
幽玄風情といわれる美しさを見られる日まで、気長に、ずっと愛用することにしようと思います。
日々の、ちょっとした楽しみの話でした。