もうすぐ梅雨入りしそうなこの季節、自由が丘の家の中庭の緑は、ずいぶんとこんもりと茂ってきました。あまり見たことのないほど大きく育った(育ってしまった)シマトネリコの隣に、もともとは主木のつもりで植えたジューンベリーがちょっと控えめに育っています。
ベリーという名のとおり、この季節には実をつけます。小さな実をいくつかとって、井戸水でちょっと洗って、そのままポイッと口に放りこみます。甘く、でも甘過ぎもせず、とてもおいしい・・・。そして最後に口に残るちょっとした苦みが、少しばかり大人の味のような感じで。
半世紀前から在り続けている柿や梅の老木、まだ植えて5年ほどの若いジューンベリーなどなど。実のなる植物が元気に植わっている庭というのは、やはり楽しいものだと実感しますし、毎年実をつけるその生命力にあらためて驚かされます。
2年ほど前に、この庭にたくましい花が登場しました。それは武尊の山から採ってきた百合。もう花の季節が終わったあとで、地元のおばさんから、「何色の花かわからんけど、もっていきな」といただいてきたものでした。
白い壁の前につくった花壇に植えたところ、この時期になるとみるみる育ち、そして大きな橙色の花をいっぱい咲かせたのでした。気がつくと、周囲にちいさな百合が幾本か増えていっています。さすが山百合、陽当たりがいいとはいえ、このたくましさ。見習わなければ。これからしばらく連続花火のように花開くのを楽しみにしようと思います。