山中湖の湖畔の森の中で、住宅の建築が始まりました。
原生林の一部にそっと置かれた、平屋の家。
そんなイメージとは裏腹に、基礎工事の段階では凍結深度まで深く掘るので、意外にも大掛かりな工事になります。
建物ができあがって、掘りかえされた土も徐々に馴染んでくると、森の中にしっくり馴染む佇まいになることでしょう。
来年の今ごろにはこの家もできあがっています。
森の中で過ごすクリスマスは、きっととても静かですね。
暮らしのなかの所作のひとつひとつに音を感じ、特別なことのように感じるかもしれません。
この家では、森の緑のなかに身を浸し、移り行く自然の光と陰影とを満喫するような設計をしてきました。
そして、ちょっとした遊び心とサプライズと共に。
すべては、森の中での暮らしを楽しむために。
山中湖からは富士山が間近に見えます。
クリスマスシーズンとはいえ、近くの河口湖とは違って、こちらは人影もまばらでとても静かです。
暮れてゆく空と、輝く水面。
湖面に枝垂れる倒木の向こうに富士山が鎮座し、
湖面の水面がとぷんとぷんと音を立てながら寄せてきます。
それを聞き眺めていると、静けさのなかにも満たされた気持ちになっていきます。
作家の須賀敦子さんがヴェネツィアについての旅エッセイのなかで描いた心情と、どこか似ているのかな。
そんなイメージの連鎖を楽しみつつ。
メリークリスマス。
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