怖い空間とは。

2021-07-11 22:28:12 | アート・デザイン・建築
ぼくの子どもは小学校の特別支援学級に通っていて、日常的に子どもと一緒に登校しています。
そうすると子どもたちや先生方や近隣の方々とも少しずつ顔なじみになっていって、自然とあいさつをするようになって、とても気持ちがよいものです。
普段から学校にお世話になっている感謝も込めて、今年は思いきってPTAの役員をやってみています。

コロナ禍のなかでは低活動状態にならざるを得ないけれど、あいさつ運動や交通安全などに注力して実践すると、多くの方とあいさつもできて気持ちよいものです。
やって大変というより、やってみると気持ちよさと楽しさがあるもんだなあと思います。

ほとんどのイベントが中止になるなか、「夜の学校探検」という企画のリーダーを任されました。
つまりは、真っ暗な学校での肝だめし大会ですね。
ぼくが仕事で設計事務所をやっていることがなんとなく知られているのか、なにかおもしろいアイデアを考えてみてくださ~い、と気軽にふられました。
空間づくりとあらば当然お引き受けするわけですが、さて、怖い空間、こわい空間・・・とは。ん?んん~?
心地よい空間、落ち着く空間、楽しい空間など、いろいろな雰囲気を求めてきたけれど、これまで怖い空間をつくることについては考えたことがなかったし、オーダーを受けたこともない。
まあ、当然ですよね(笑)

人数制限として、6年生だけの参加とのこと。なので、ちょっとだけ大人向け(?)の空間演出を考えました。
でも準備期間も限られているから、なるべく最小限の操作で、最大限の効果を。そんなことをもくろみながらシナリオを描き、皆さんとともに準備しました。

そうしたら! 
緊急事態宣言で、延期に・・・。
せっかく準備したから、延期してでもいつか実現できるといいなと思います。
それにしても、6年生の参加希望は脅威の95パーセント越え!とのこと。ほとんど全員参加じゃないですか。楽しみにしてれているんですね。



怖い空間とはすこし違うけれども、恐怖を喚起させる空間について。
以前に、ベルリンの「ユダヤ史博物館」を訪れたときに、ホロコーストについて記述するコーナーの一環で、必ず通らなければいけない空間がありました。
お化け屋敷みたいに暗かったり脅かされたりするわけではなく、むしろ明るい空間で、なにも変化は起きないのだけれども。



井戸の底のようなヴォイドで虚無な空間。足元に敷き詰められる人面の鉄片と、その上を歩く不安定さ。歩を進めるたびに鳴り響く不気味な音。
映画やバーチャルリアリティーなどの方が、直接的に何かを感じさせるものはつくりやすいでしょうし、現実の空間というのは不自由なものですが、それでも、身体を通してしか感得できないものもあるでしょう。
PTAのイベントで気軽にやるつもりが、意外にも?いろいろと考えさせられました。






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