新潟にキャンプに行ったときに野原で採ってきた、と、施主からススキの束をいただきました。ススキは東京でも見かけはするけれども、あらためて眺めたのは随分とひさしぶりのことでした。
金色。
「自由が丘の家」の書斎脇の黒漆喰が塗られた壁を背景に、ススキの束を壺に入れて飾ってみました。西側に面した傍らの窓を開けると、風にそよそよと揺らいでいます。こころの奥底にしっくりくるような、そんな雰囲気になりました。
僕が設計する住宅のインテリアは、白い壁が基調にはなっていますが、いくつかの色の壁をよく配します。いろいろな考えがあってのことなのですが、ススキの金色は、黒漆喰の壁を背に、より輝きを増すようにも思いました。その前を通るたびに、なんとなくはっとする、ような。
季節のものを取り合わせる、置き合わせるということが、日々のちょっとした楽しみであることは、日常生活に奥行きと豊かさをもたらすような気がします。
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