今年の最後に、川口市ですすめてきた住宅が完成しました。
完成といっても、まだ少し残りの工事もありますが、引っ越し前のつかの間、できあがった空間を独り占め(笑)
この住宅は駅近くの雑踏のなかに建ちます。すぐ傍を通る電車の音が時折ゴォーッと響き、隣のコンビニの空調機がうなり、放置自転車が丸見えで、ビル、ビル、ビル・・・。
「準工業地域」というなかなかハードな環境のなかに、喧噪から離れて落ち着いた室内をつくりたい、というのが設計当初からの考えでした。
そうしたできあがったリビングの空間。細長い敷地の真ん中に中庭をとり、このリビングは中庭に面しています。
大きな窓は北向きで、直射日光は入らないけれども、穏やかな自然光に満たされてとても明るくなりました。
壁沿いにはソファが置かれる予定。家族や来客で囲むのが楽しくなるように、窓辺にはベンチを造りつけました。
中庭に植栽が植えられ、窓から緑が見えるようになると、この空間はしっとりと落ち着いた雰囲気になりそうです。
街の中に、暮らしの傍に、すこしでも緑を。
タモ材のベンチや、カラマツの無垢フローリングのもつ木目や風合いが美しく浮かび上がるように、壁や天井はグレージュがかったトーンで塗装しました。
なにか特別なものをデザインしたいのではなくて、身のまわりにある物事に、趣きを感じられるような雰囲気をつくることが目的です。
日常が、じんわりと良いものになるように。
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