

本に呼ばれる、という感覚になるときがあります。
本屋さんで、あるいは図書館で、膨大な本を目の前にしながら、探すというよりも、本のほうから「ここにいるよ!」と声を掛けられるような感覚です。
背表紙しか見えていないにも関わらず、実際に手にしてみると、おお、これは!ということが少なくないのです。本の装丁の雰囲気がぼく自身の波長と合う、ということなのでしょうか。
ある日の二子玉川の蔦屋にて、また、本に呼ばれました。
この日に呼ばれたのは、デンマークの建築家ヨーン・ウッツォン(シドニーのオペラハウスの設計者としても有名です)が自身のためにデザインした、スペイン・マヨルカ島にあるCAN LIS という住宅の写真集でした。
このミステリアスな住宅を紹介した本はこれまでにも幾つも出版されていますが、この日に手にした本は、まさにその場に居合わせているような構図の写真集で、とても心惹かれました。
WEBで建築の写真は多く閲覧できるけれども、1ページずつめくっていく本の「体験」は、なかなか代えがたいものがあります。
1ページずつめくっていくシークエンスのなかに、体験のなかに、新たなインスピレーションが詰まっていように思うのです。
新しい本に呼ばれたことに喜びと感動を覚えつつ、きっとこれから何度も繰り返し見るんだろうなあとワクワクしながら帰りました。
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