peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

ユキザサ(雪笹)の赤い実

2005年10月02日 | Weblog
ユキザサ(雪笹)ユリ科 ユキザサ属 Smilacina japonica

山地の林の下に生える多年草。白い花を雪に、葉を笹の葉に見立ててこの名がつけられたという。

 高さは20~70cmになり、花穂や葉の裏面に毛がある。葉は長さ6~15cmの卵状楕円形。

 5~7月、白い小さな花を多数つける。

 果実は直径5~7mmで9から10月頃赤く熟す。分布:北海道~九州

 良く似た「ヒロハユキザサ(広葉雪笹)smilacina vesoensis」は雌雄別株。雄花が緑色なので、「ミドリユキザサ(緑雪笹)」の名もある。
 ヒロハユキザサの雌株は、ユキザサに似ているが、毛が少ないので区別できるという。また、「ヒロハユキザサ」は、北海道と本州の中部地方以北に分布するという。

 画像は、茶臼岳(標高1578m)から茶臼山荘(避難小屋)の前に戻り、オオシラビソ(アオモリトドマツ)の中、石がゴロゴロする道を黒谷地湿原に向けて下っていたときに見つけた「ユキザサ(またはヒロハユキザサ)」の赤い実。霜にやられたのだろうか、すっかり黄色くなっていた。

ゴヨウイチゴ(五葉苺)

2005年10月02日 | Weblog
ゴヨウイチゴ(五葉苺)バラ科 キイチゴ属 Rubus ikenoensis

本州中北部の高山~亜高山帯の林内の半陰地に生える草状の落葉つる性小低木。根元が木質で、その先は草質をしている。茎や葉柄に開出するトゲがある。茎は細く、草質初め直立、伸びて倒伏し、地上を這う。

 葉は互生、まばら、長柄をもち鳥足状の5小葉、頂小葉は長さ5~8cm。薄く伏毛がある。托葉は緑色。

 花は6~7月、花柄を地上に立ち上げて咲く。短枝上に1~3花つき、短い細柄に下向きに咲く。がく片5、軟毛とトゲと腺毛が混じる花弁は退化し線状。雄しべ多数。

 分布:日本、東アジア、北米

 画像は、茶臼岳(標高1578m)登山コースの茶臼山荘近くで見つけた「ゴヨウイチゴ(五葉苺)」の赤い実。石ころ斜面を這うつるに付く鳥足状の5枚の葉が目印。
(他の大きな草木の下に生えているので、注意していないとみつからないかも?)

コメツガ(米栂)

2005年10月02日 | Weblog
コメツガ(米栂)マツ科 ツガ属 Tsuga diversifolia

日本特産の常緑針葉高木で、山地に生える常緑高木の「ツガ(栂)」と共に、学名に「Tsuga」と付いている。ツガより標高の高いところ(亜高山)に生え、純林をつくることもあるという。ウラジロモミやシラビソなどと同じぐらいの標高に生える。

 高さはふつう15~20mになる。樹冠は円錐形。ツガに似ているが、樹皮は薄くはがれ、若枝には褐色の毛があり、冬芽の先は丸い。

 葉は線形で長さ5~15mm、ツガより短く、ほぼ長さが揃っている。球果のつき方もツガと違っていて、枝にまっすぐに付く。

 花は6月頃に開く。球果は長さ1.5~2.5cmの広卵形。初め緑紫色で成熟すると褐色になる。

 分布:本州(中部地方以北、紀伊半島)、四国、九州(祖母山)

 画像は、茶臼山荘(避難小屋)から黒谷地湿原に通じる道の終点で見つけたコメツガ(米栂)の果実。茶臼岳に通じる道でも見かけたが、これだけ沢山の実は付いていなかった。

ムシカリ(オオカメノキ)

2005年10月02日 | Weblog
ムシカリ(オオカメノキ)スイカズラ科 ガマズミ属 Viburnum furcatum

名前の由来は、葉のムシクワレ(虫食われ)がなまってこの名になったというが、「オオカメノキ」の別名もある。

 山地や深山に生える落葉低木で高さは2~5mになる。枝は太く、横に広がる。葉は有柄で対生し、長さ7~15cmの卵円形~広卵形で、ふちには鈍い鋸歯があり、表面は脈がへこみ、皺が目立つ。ブナ林に多く、横に広がった枝に白い花が並んでよく目立つ。

 花期は4~6月。枝先から散房花序を出し、花穂の中心部には直径6mmほどの両性花を多数付ける。花冠は5深裂し、雄しべは5個。この両性花の周りを直径3cmほどの白い装飾花がとり巻く。

 果実は長さ約8mmほどの核果(球形~楕円形)で、はじめ赤く、やがて黒く熟す。

 分布:北海道、本州、四国、九州、千島、サハリン、朝鮮

 画像は、茶臼山荘(避難小屋)から茶臼岳山頂(標高1578M)への道の脇に実っていたムシカリの果実。

アカモノ(赤物)

2005年10月02日 | Weblog
アカモノ(赤物)ツツジ科 シラタマノキ属 Gaultheria adenothrix

山地~高山の草地や林のふちなどに生える常緑小低木で、別名「イワハゼ(岩黄櫨)」とも呼ばれている。
 高さは10~30cm。若枝や花柄、萼には長い毛がある。葉は互生し、長さ1~3cmの広卵形。
 6~7月、わずかに赤みを帯びた白い花が下向きに咲く。花は長さ7~8mmの鐘形で萼が真っ赤な帽子をかぶっているように見えて印象に残る。

果実は直径約8mmで萼が大きくなって果実を包み、真っ赤に熟す。実は甘酸っぱくて、ジャムや果実酒に利用される。

八幡平では、硫黄採掘跡付近や各登山道のふち、秋田県側の泥炭地などに数多く群生しているという。須川岳では、ビジターセンターの裏山で見かけた。

 分布:北海道~四国

「アカモノ」という名前の由来は、果実が赤く熟し食べられるので「アカモモ」と言ったのが、なまって「アカモノ」になったと言われている。同じ「シラタマノキ」の仲間の「シラタマノキ」が果実が白いので別名「ソロモノ」と呼ばれているのに対して「アカモノ」と呼ばれるという説もある。

 画像は、茶臼岳に登る途中の道の真ん中で見つけた、真っ赤に熟した「アカモノ(赤物)」の果実。萼や花柄には毛が多い。