peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

シロバナトウウチソウ(白花唐打草)

2005年10月03日 | Weblog
シロバナトウウチソウ(白花唐打草)バラ科 ワレモコウ属 Sanguisorba albiflora

東北地方の高山の草地に生える多年草。葉は奇数羽状複葉。小葉は3~6対あり、長さ2~4cmの楕円形。直径約5mmの小さな白い花が穂状に多数付き、上から下へ咲き進む。糸のように長く突き出た雄しべが目立つ。

 この花を初めて見たとき、「ワレモコウ(吾木香)」に似ていると思ったら、やはりワレモコウの仲間だった。

 「トウウチソウ(唐打草)」の名は、白い花穂が、中国渡来の打ち紐に似ていることによるという。

 画像は、9月26日に栗駒山(岩手県では「須川岳」)の須川高原温泉から名残ケ原湿原を経て、昭和19年の噴火によってできた昭和湖まで歩いたときに見つけた「シロバナトウウチソウ(白花唐打草)」の花穂。
 
 昭和湖から流れ落ちるゼッタ沢周辺には二酸化硫黄などのガスにより枯死した樹木が広がっていたが、そんな環境にもかかわらず登山道の間に沢山咲いていた。

イオウゴケ(硫黄苔)の赤い胞子

2005年10月03日 | Weblog
イオウゴケ(硫黄苔)ハナゴケ科 ハナゴケ属 Cladonia theiophila

9月26日に岩手県の須川高原温泉(1,126m)から名残ケ原(1,150m)を経て昭和湖(1,100m)を目指して歩いていたとき、昭和湖から流れる「ゼッタ沢」と呼ばれる登山道脇の硫気のただよう環境(「硫気荒原」)にもめげずに生育し、赤い胞子を付けていたコケの群落を見つけた。「イオウゴケ(硫黄苔)」であった。

 この苔は、植物仲間でも一段と低い地衣類に分類され、小さな苔も生えない硫気のただよう環境にもめげず育つものだという。

オオバタケシマラン(大葉竹縞蘭)の赤い実

2005年10月03日 | Weblog
オオバタケシマラン(大葉竹縞蘭)ユリ科 タケシマラン Streptopus amplexifolius var.papillatus

亜高山から高山にかけての林の中に生える多年草。高さは50~100cmになり、2~3本の枝を出す。

 葉は互生し、長さ5~10cmの卵形で、基部は茎を抱く。葉の裏面は白っぽい。

 6~8月、葉のつけ根に淡緑色の花が1個ずつ垂れ下がって付く。花柄は長く、途中で1回ねじれる特徴がある。

 花弁は長さ1cmほどで、そり返る。果実は長さ約1cmの楕円形で秋(9~10月頃)に赤く熟す。

 分布:北海道、本州(中部地方以北)

 なお、「タケシマラン(竹縞蘭)」というのもあり、「オオタケシマラン」と同じ時期、同じような場所で咲くが、いくぶん小振り(高さ20~50cm)であること、葉の基部が茎を抱かないこと、花柄がねじれないこと、果実がほぼ球形であることなどで区別できるという。分布:本州(中部地方以北)

 画像は、茶臼山荘(避難小屋)から黒谷地湿原に下る歩道脇で見つけた「オオタケシマラン(大竹縞蘭)」の赤い実。
 霜に打たれて、竹のような縞模様を残して葉を枯らしながらも真紅の実を光らせていた。

チングルマの羽毛状の花柱

2005年10月03日 | Weblog
チングルマ(稚児車)バラ科 ダイコンソウ属 Geum penta petalum

北海道や 本州の中部地方以北の高山帯の雪田周辺の砂礫地、渓流沿い、砂礫の多い草地などに生える高さ10~15cmの落葉小低木。大きな群落をつくることも多い。

 葉は奇数羽状複葉。小葉は厚みがあり、3~5対ある。秋には美しく紅葉する。

 6~7月、淡いクリーム色で直径2cmたらずの花が枝先に1個ずつ付く。花弁は広楕円形で5個あり、ふちは波打つ。

 実:花が終わると花柱は長く伸び、はじめソフトクリーム状によじれているが、次第にほぐれて羽毛状になる。秋風に羽毛状の花柱が揺れる姿は、花とは違った魅力がある。こんなに小さくても「木」なのだから面白い。

 画像は、八幡平・黒谷地湿原からアスピーテラインに下る木道の脇(「熊の泉」付近)で見つけた「チングルマ(稚児車)」の実(羽毛状の花柱)