peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

平泉町「中尊寺」の小菊・懸崖作り 2016年11月6日(日)

2016年11月08日 | 植物図鑑

2016年11月6日(日)、朝から天気が良かったので、マイカーで「菊まつり」が開かれている平泉町の中尊寺に行ってきました。「月見坂」を登るのはイヤなので、南側の車道を登って「坂の上駐車場」(500円)に車を駐めて観てきました。何度も行っている所なので、キク(菊)の写真を撮ることに集中して、2時間ほどで帰ってきました。 

(下)本堂の前に小菊の懸崖作りが6つ展示されていました。

コギク(小菊)キク科 キク属 Ohrysanthemum morifolium

日本にはキクの野生種が沢山あるが、栽培のキク(菊)については、中国から渡来したものであることに疑いはない。キクの祖先は中国の北部に自生するチョウセンノギクと、中部に自生するハイシマカンギクの交雑品から出発し、唐の時代には園芸品が存在したらしい。日本には奈良時代には伝えられたと考えられている。

 キクの品種改良が急速に進んだのは江戸時代で、大小様々なタイプのキクの品種が生まれた。栽培ギク(家ギクとも呼ばれる。)は頭花の大きさによって、大菊、中菊、小菊の3つに分けられている。(大菊、中菊は省略)

小菊は頭花の大きさが直径9㎝未満の小形のもので、庭や畑でごく普通に育てられている。よく枝分かれして沢山花が咲くのが特性である。花形としては一重、八重、千重、丁子咲き、ポンポン咲きがあり、特異なタイプとしては伊勢菊に似た薊菊、ポンポンタイプの魚子(ななこ)菊、貝咲菊がある。

 特別な栽培方法として発展したものは懸崖(けんがい)作り盆栽作りがある。懸崖作りは、枝が長く伸びてよく枝分かれする小菊を使い、枝が垂れ下がるように仕立てる。長い逆三角形にびっしりと花をつける形と、あまり形を整えないで自然な形に垂れさせた文人作りの2つがあり、一重や丁子咲きの花形が好まれる。(中略) 

(上)本堂の前に6つ展示されていた小菊の懸崖作りの製作過程にあるものではないでしょうか?

 


平泉町「中尊寺」の大菊・厚走り、大菊・厚物(あつもの) 2016年11月6日(日)

2016年11月08日 | 植物図鑑

(上と下2つ)大菊・厚走りと思われるもの。「兼六淡菊」 浅沼善治さんの作品。

2016年11月6日(日)、朝から天気が良かったので、マイカーで「菊まつり」が開かれている平泉町の中尊寺に行ってきました。「月見坂」を登るのはイヤなので、南側の車道を登って「坂の上駐車場」(500円)に車を駐めて観てきました。何度も行っている所なので、キク(菊)の写真を撮ることに集中して、2時間ほどで帰ってきました。 

(下)中尊寺白山神社入口に特設された「菊の展示場」は、一関菊花会のものでした。様々な大菊が展示されていたのですが、大菊「厚走り」とか「厚物」と呼ばれるものが沢山展示されていました。 

(上と下3つ)大菊・厚走りと思われるもの。「兼六香菊」浅沼善治さんの作品。

(下3つ)大菊・厚走りと思われるもの。「兼六淡菊」浅沼善治さんの作品。

(上と下5つ)大菊・厚物と思われるもの。入選、「暁の反射炉」千葉福蔵さんの作品。


平泉町「中尊寺」の大菊・間管(あいくだ)、大菊・針管(はりくだ) 2016年11月6日(日)

2016年11月08日 | 植物図鑑

(上4つ)大菊・間管(あいくだ)と思われる「泉郷急流」佐藤修さんの作品。 

2016年11月6日(日)、朝から天気が良かったので、マイカーで「菊まつり」が開かれている平泉町の中尊寺に行ってきました。「月見坂」を登るのはイヤなので、南側の車道を登って「坂の上駐車場」(500円)に車を駐めて観てきました。何度も行っている所なので、キク(菊)の写真を撮ることに集中して、2時間ほどで帰ってきました。 

(上)国宝などを収蔵・展示している讃衡蔵の前に生えているカエデなどの紅黄葉がとても綺麗でした。

(上)絵はがきなどで良く見かける金色堂の覆堂

(上)弁財天堂。紅葉が綺麗でした。

 

(上3つと下2つ)「泉郷冨水」大菊・細管(ほそくだ)または大菊・針管(はりくだ)と思われるもの。

(下6つ)大菊・針管(はりくだ)と思われる「南十字星」佐藤博さんの作品。

(上と下3つ)大菊・間管(あいくだ)と思われる「泉郷急流」佐藤修さんの作品。

(下2つ)大菊・細管(ほそくだ)と思われるもの。

 キク科 デンドランセマ属 Dendranthema:ヨーロッパ及び東・中央アジアに約20種が分布する多年草。基部は木本化することがある。花色は白、黄、紫など。属名は「樹の花」の意。

キク(菊)キク科 キク属 Dendranthema×grandiflorum:キクの学名は、従来Chrysanthemum×marifoliumが用いられてきたが、現在は表記のように改められた。ただし、一般的に栽培ギクをいうときにはChrysanthemumとする。

 現代のキクは、中国北部の白花のチョウセンノギクD.zuwadskiiと中国中部の黄花のハイシマカンギクD.indicumとの雑種ができ、更にいろいろな種が交雑されて成立したものという。

 日本では平安初期には栽培されていた。江戸中期から変わり咲きが生まれ、厚物、管物、広物などの大菊、それに江戸、伊勢、嵯峨、肥後などの中菊ができた。

 営利栽培用としては、自然開花時期によって夏菊、夏秋菊、秋菊、寒菊に分けられ、更に電照や遮光処理によって開花調節が行われている。1960年代にはスプレーギクSpraymumも導入された。花卉類の中では営利生産される量が最も多い。

 観賞菊:日本で趣味的に鑑賞されている菊は、花径によって、大菊、中菊、小菊に分けられる。その区分は絶対的なものではないが、普通、それぞれ、径18㎝以上、9㎝以上、9㎝以下に分けられている。生態的には全て秋菊系で、短日条件下で開花する。

 大菊:観賞用の最も代表的なもので、花色黄、白、橙、桃、赤などがあり、花形から次の6系統に分けられるが、豪華、優美さをもつものを特徴としている。

1)厚物(あつもの)…太い管弁が沢山集まってこんもりと盛り上がって咲く。

2)厚走(あつばし)り…前者の外側の花弁が外方へ流れて咲く。(走り咲き。)

3)広物(ひろもの)…幅広の平弁で一重咲き。一文字ともいう。花弁が垂れ下がらないように必ず輪台をつけて観賞する。

4)管物(くだもの)…花弁が管状になっているもので、太さによって、太管(ふとくだ)、間管(あいくだ)、細管(ほそくだ)、針管(はりくだ)の分けられる。

5)大掴(おおづか)み…厚物の1種といえるが、花弁が強く巻き込んだように咲く。

6)美濃菊…幅広平弁の八重菊で、岐阜県大垣地方で栽培されてきた。色彩が鮮やかな特徴がある。

 栽培:6月頃挿し芽をして鉢上げし、系統や品種によって異なるが、秋10~12月に開花する。(以下、省略)[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・園芸植物」より]