peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

ミツバウツギ(三葉空木)

2007年05月23日 | Weblog
一関市東山町のミツバウツギ(三葉空木)
 2007年5月22日




2007年5/22(火)、主要地方道・一関~大東線(今泉街道)
を走っていて、東山町と大東町の町境付近で、白い花を沢山
つけた「ミツバウツギ(三葉空木)」を見つけました。
「ウツギ(空木)/ウノハナ(卯の花)」に似た白い花をつけ
ますが、葉は小葉が3個ある複葉で、花弁と萼片が共に白色で、
最盛期でも完全には開かないという特徴があります。







奥州市水沢区のミツバウツギ(三葉空木) 2006年5月27日

2006年5/27(土)、国道343号線を車で走っていて奥州市
水沢区の正法寺(しょうぼうじ)付近で「ミツバウツギ
(三葉空木)」が咲いているのをみつけました。





ミツバウツギ(三葉空木)ミツバウツギ科 ミツバウツギ属
Staphylea bumalda
山地に生える落葉低木で、高さは3~5mになる。葉は対生し、
2~4cmの葉柄があり、3小葉からなる。小葉は長さ3~7cmの
長卵状楕円形で、縁には芒状(のぎじょう)の細かい鋸歯が
ある。
和名は、小葉が3個あり、「卯の花」の名でおなじみのユキノ
シタ科ウツギ属の「ウツギ(空木)Deutzia crenata」に似た
白い花をつけることによる。「ウツギ(空木)」は、幹(茎)
が詰まっていないで中空のこと。

5~6月、枝先の円錐花序に長さ約8mmほどの白花が多数集まっ
て開く。花弁と萼片は共に5個あり、白色で、最盛期でも完全
には開かない。
果実は果(さくか)で薄質で風船のようにふくらみ、先は
2~3室に分かれている。材を箸(はし)や木釘にした。
分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国

ミヤマザクラ(深山桜)

2007年05月22日 | Weblog
一関市東山町「唐梅館」のミヤマザクラ(深山桜)
 2007年5月22日






2007年5/22(火)、久しぶりに一関市東山町長坂の「唐梅館跡」に
登ってきました。頂上の一段下の平地に「唐梅館森林公園案内図」
という総合案内板(「現在地」)が建てられていますが、そのすぐ
傍に「ミヤマザクラ(深山桜)」が花を咲かせていました。









ミヤマザクラ(深山桜)バラ科 サクラ属
Prunus maximowiczii
山地から亜高山にかけて生える落葉高木で、特に北国に多い。
高さは大きいものは15mほどになるが、ふつう7~10mほど。
樹皮は紫褐色。葉は有柄で互生し、葉身は長さ4~8cmの倒卵状
楕円形で先は尾状に尖る。縁には欠刻状の重鋸歯がある。葉
の両面と葉柄には褐色の毛が多い。

花期はほかの桜よりかなり遅く、5月下旬から6月に葉が開い
てから咲く。総状花序を出し、直径2cmほどの白い花を5~7個
ずつつける。花弁は5個で丸く、先端に切れ込みがないという
特徴がある。

果実は直径1cmほどの球形で7~8月、紅紫色に熟す。
分布:北海道、本州、四国、九州、アジア東北部

ヒカゲツツジ(日陰躑躅)

2007年05月22日 | Weblog
平泉町中尊寺のヒカゲツツジ(日陰躑躅)
 2007年5月4日







2007年5/4(金)、平泉町中尊寺に行きました。中尊寺の表参道
を月見坂といいますが、この坂を上りきると道は平らになり、右
手に眺望が開けます。「東物見台」です。

遠くにゆるくカーブを描いて流れる大河が北上川、左手から衣川
が流れ、北上川に合流しています。現在、この川の堤防築造工事
が進行中です。

この東物見台には、平安時代の歌人・西行法師が平泉を訪れた際
に詠んだと伝えられている歌(「きゝもせず 束稲やまのさくら花
よし野のほかに かゝるべしとは」)を刻んだ歌碑が建てられてい
ます。

また、遠藤梧逸句碑(「清衡の願文の意の大文字」)も建てられ
ています。

この東物見台の近くに植えられた「ヒカゲツツジ(日陰躑躅)」
が淡黄色の花を沢山咲かせていました。





ヒカゲツツジ(日陰躑躅)ツツジ科 ツツジ属
Rhododendron keiskei 別名:サワテラシ
山地の渓谷に面した崖や岩場の斜面など、あまり日の当たらない
所に生えるのでこの名がある。日本特産の常緑低木で、高さ1~2m
になる。庭木のほか、盆栽にも利用される。

葉は枝先に輪生状につき、長さ4~10cm、幅1~2cmの広披針形で、
葉質はやや薄い革質で、縁は裏側に少し巻き込む。裏面には淡褐色
の鱗片がある。

4~5月、枝先に淡黄色の花を2~5個ずつつける。花は漏斗形で先
は5裂し、直径3cmほど。雄しべは10個。
 分布:本州(関東地方以西)、四国、九州

シキミ(樒)

2007年05月21日 | Weblog
一関市東山町のシキミ(樒)の花
 2007年5月14日




2007年5/14(月)、一関市東山町長坂にある住宅団地内を
歩いていて、今を盛りと花を咲かせている「シキミ(樒)」
を見つけました。枝を仏壇や墓に供えたり、葬式に使うこと
から、寺院や墓地によく植えられているということですが、
花を見るのははじめてのような気がします。
枝や葉には特有の香りがある。全体に有毒植物。





奥州市衣川区のシキミ(樒)の実 2006年9月30日



2006年9/30(土)、奥州市衣川区に行ったついでに、旧・衣川町
役場の近くにある「一首坂(いっしゅざか)」という史跡に行って
みました。

安倍貞任(あべさだとう)が鬼神のごとく源氏軍と戦ったと伝え
られている「前九年の役」の舞台(現地)です。

一族の固い団結のもと武力で圧倒していたが、出羽の清原一族の
参戦により形勢は逆転し、この地を逃れようとしたとき、源義家が
(下の句)「衣の舘はほころびにけり」と呼びかけたのに対し、
貞任が即座に(上の句)「年を経し糸の乱れの苦しさに」と和歌問
答したといわれる坂です。

この坂道のわきにある民家の庭に「シキミ(樒)」の実が沢山つい
ていました。







一関市厳美町のシキミ(樒)の実 2005年10月

一関市厳美町の厳美街道と呼ばれていた道を歩いていたら、
理髪店の前に果実を沢山つけたシキミ(樒)の木が4本あり
ました。女主人に聞いたら今は亡き父が植えたものだという
ことでした。

 
シキミ(樒)モクレン科 シキミ属
 Illicium religiosum、別名:コウノキ(香の木)、ハナノキ(花の木)
暖地の山地に生える常緑小高木ときに高木。枝を仏壇や墓に
供えたり、葬式に使うことから、寺院や墓地によく植えられ
ている。枝や葉を切ると抹香(まっこう)の匂いがする。
また樹皮や葉からは線香や抹香をつくる。全体に有毒で、特に
果実は猛毒なので注意が必要。

幹は直立し、高さは3~8m、ときに10mにもなる。樹皮は暗
灰色、若枝は緑色。葉は互生し、短柄があって葉身は長さ4~
10cmの長卵状披針形で、厚くて光沢がある。

花期は3~4月。枝の上のほうに集まってついた葉のつけ根に
直径2.5~3cmほどの淡黄白色の花をつける。細い花びらが10
~20枚よじれてつき、澄んだ香りがする。

花後に8~12個の袋果(たいか)がかたまってつく星形に並ん
だ集合果で直径2~3cm。

9~10月ごろ、袋果が熟して果皮が割れ、1個の袋果から黄褐
色の種子が1個ずつ顔を出す。
分布:本州(中南部)、四国、九州、沖縄

レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)

2007年05月21日 | Weblog
東山植物友の会のレブンアツモリソウ(礼文敦盛草)
 2007年5月12日



2007年5/12(土)、一関市東山町松川の松川公民館で開催中の
東山植物友の会(鈴木四郎会長)の山野草展を見に行ってきまし
た。「キバナアツモリ」と書かれた植物が展示されていました。

かなり濃い黄色の花をつけていましたので、もしかしてこういう
名の植物もあるのではないかと思って、「キバナアツモリ」でイ
ンターネット検索をしましたが、「キバナノアツモリソウ(黄花
の敦盛草)」しか出てきませんでした。
しかし、この植物は緑黄褐色の花をつけるので、これではない
ようです。
やはり「レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)」ではないかと思い
ます。





レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)ラン科 アツモリソウ属
Cypripedium macranthum var.rebunense
北海道の礼文島(礼文島)にのみ自生する野生のランで、
アツモリソウの変種。礼文島の海岸のやや湿った草地に生
え、草丈は25~40cm程度。

花の色は淡黄色・クリーム色で、5~6月に開花する。側弁花
は広卵円形で先が短く尖り、長さ3.5~5cmの袋状の唇弁を
抱きかかえるような姿が目立つ。

かつて島内各地で咲き乱れていたが、礼文島の大部分を
焼く大きな山火事が起き、木々に埋もれるように咲いて
いた花が人目に露出したため、盗掘に遭って数は激減し、
現在では北鉄府地区の保護区「レブンアツモリソウ群生地」
以外はほとんど見られないという。

1994年に「特定国内希少動植物種」に指定されており、
現在では許可なく採集・販売などはできない。しかし園芸
的に人気のある種類だけに、複数の民間業者が国の許可の
もとに人工増殖を手がけており、少数ながら安定した苗の
生産・供給がなされている。
ただし残念ながら、アツモリソウ同様に暖地での栽培はき
わめて難しく、これらの苗が一般普及するには至っていない。