ゲロゲロ少年Yは、現代美術巡りをしてきたらしい。
そのコースというのが、本当よくやるよと思うような
ものだった。
まず軽井沢の「セゾン美術館」に行く。
マン.レイ、ジャスパー.ジョーンズと有名どころが
一通り揃っているので、そういうのが好きな人にとっ
ては必見の美術館だ。
Yは初めて行ったらしく、その内容と、建物含め周辺の
環境にいたく感激の様子。
特にどの作品に感激したかは聞き忘れた。
そして次に向かったのは清里にある「清里現代美術館」。
ここは規模は小さいが(個人でやっているので)、「ボ
イス」が充実している個性的な美術館だ。
軽井沢からだと、八ヶ岳に沿って、小海線と同じコース
を辿る。
結構距離はある。
本人もやってみてここまで遠いとは思ってなかったよ
うだ。
そこでYは、美術館の関係者(館長か誰か)と、現代美
術および芸術の行く末について語ったらしい。
二時間ほど。
そして最後に向かったのは、小淵沢にある「中村キース.
ヘリング美術館」。
ここに関しては、周辺を何度も通っているが入ったこと
は無い。
以前からYに、どうなんですか?と聞かれていたが、元々
キース.ヘリングには特別興味はなかったで、自分の目
で確かめれば、と言っていた。
それが今回、美術館めぐりの掉尾を飾る場所となった。
Yがここに着いたのは、閉館間際。
朝七時に家を発ち、すでに夕方五時。
現代美術だけで、これだけ広範囲に周る人間もいないだ
ろう(八ヶ岳を一周したことになる)。
ここも、建物作品、周辺の環境含め良かったです、とY
の感想であった。
一般にイメージする、ポップで軽いだけではないキース.
ヘリングの作品に出会える、らしい。
そして今回、全てに共通するのは、兎に角、人がいない
ということであった。
「阿修羅像」とは偉い違いだ。
別に普段の興福寺に行って見れば良いと思うのだが、こ
ういう演出をすると何故か人が殺到する。
わざわざ混雑の中見ることもないのに、というのは余計
なお世話か。
現代美術ではまず有り得ないことだ。
村上隆だったら可能性ありか。
しかし、あれがはたして芸術か、という問題があった。