アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

型…♪

2015-10-13 08:53:33 | Weblog
日曜の夜、ちょっと遅い時間にテレビをつけたら市川猿之助がゲストに出ていた。
どういう番組なのかは不明だが、ギターを抱えた福山雅治のほかにも2~3人の出演者がいた。
で、福山が歌い、猿之助が即興で踊るという流れになった。
曲は『夢芝居』、かつて梅沢富美男が歌って大ヒットした曲。
猿之助が、1番は男、2番を女で踊るという。
ほぉぉぉ…
セットの陰から猿之助登場。
歌に合わせた当て振りなんだけど、こぉれが…。

お見事
スーツ着て茶色の革靴はいているそのままのなりで踊ってるのよ。
それなのにちゃんと男は男に、女は女に見える。
うわぁぁぁ…
あ゛…、思い出した。
もう随分前のことだけど、坂東玉三郎丈が紋付に仙台平で、道成寺だか藤娘だかの素踊りを披露されたことがある。
鬘も豪奢な衣装もないのに、扇子一本でちゃんとその景色が見えた。
あの時思ったんだ。
素踊りで見せられてこそ本物だ、って…。
スーツに革靴の猿之助しかり。
が身に付いていればこそなんだな。
女舞の型、男舞の型、それぞれに決まった所作。
そういうものがきっちり身に付いているからこそ、即興で演じても見せることが出来る。
クラシック・バレエだってそう。
基本のポール・ドゥ・ブラも身に付いていないのに、ただうにょうにょと腕をくねらせても白鳥にはなれない。
正確な4番アラベスクが身に付いていなければ、エクステンション・アラベスクは美しくない。
破り得る型があっての型破り。
改めて勘三郎丈の言葉を思い出した。
良いものを見たと思えるひとときでした




コメント
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