アンサンブル・ド・ミューズ バレエ

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

口上…♪

2016-05-30 08:59:00 | Weblog
昨夜のNHK=Eテレは、三月に行われた五代目中村雀右衛門襲名披露興行の一部を放送していた。
最初に口上があってね。
新・雀右衛門を中心に、興行に名を連ねる錚々たる俳優たちが裃姿で居並んでいる。
新・雀右衛門のすぐ左隣(上手側)から順に一人ずつ口上を述べていく。
上手のしんがりが菊五郎さん。
次は下手しんがりの中村吉右衛門さんから順に中心に向かってご挨拶が進む。
みなさん、先代との関わりや思い出、当代雀右衛門との関わりなどを披露しながら御贔屓筋や観客に向けてのご挨拶や、当代に向けてのお祝いを述べていく。
独特の言い回しがあるのよね。
『いずれも様も…』
『請い願いあげ奉りまするぅ』
『隅から隅まで、ずずずいぃぃっとぉぉ…』

んふふ~…、好いよねぇぇ…
独特の言い回しのほかに、歌舞伎界ならではの特徴は
○○屋の小父さま、お兄さん、○○屋さん
と屋号で呼ぶところ。
それと、女形の俳優が紫帽子の鬘に袴の形も胸高ってところ。
口上って扮装なしの素で行うものだからね。
江戸時代の男性は月代を剃って髷を結っていた。
女形とはいえ男だから月代を剃っている。
鬘が発達していなかった時代、女形の俳優は月代を紫の袱紗で隠したんですって。
それを現代でも型として、様式として踏襲しているの。
紫帽子をちょいと簪で留めているところが素敵だわよね。
この口上というものが、私は大好きなのでござります。
しょっちゅう行われるものではないしね