■ ネットに溢れる「宇宙人の陰謀」説 ■
ネットを彷徨っていると大量の「陰謀論」に出くわします。
「人力でGO」も多くの方達から見れば、「陰謀論」なのでしょう。
ところで「陰謀論」には二つのタイプが在ることにお気づきでしょうか?
1) 表層的事実の関連性や合理性を高める為に、「世界の裏側」を仮定する陰謀論
2) 「陰謀論」で提示された「陰謀」に対して、荒唐無稽な解説を加ええる陰謀論
「イルミナティーは宇宙人の末裔だ」とか、「エリザベス女王は爬虫類方宇宙人だ」
などという子供でも信じないような「陰謀論」は後者に当たります。
ネットには意外にも後者の陰謀論が多く、
そして、それらの陰謀論のページは写真が図柄が満載の力作ページが多いのです。
■ 社会的影響の大きい「記事」に張り付く宇宙人 ■
2chや阿修羅に代表されるようなオープン型の掲示板では、
社会的にインパクトがありそうな記事が掲示されると、
そのコメント欄に「あらし」と呼ばれる人達が粘着します。
それらの方達は、「過激」な論調や、「一歩的な誹謗」で論議を中断します。
それとは別に「この事件は宇宙人の陰謀だ」という書き込みが時々現れます。
阿修羅のこの記事などは好例かと思われます。
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/543.html
「野村證券破綻・倒産の可能性を徹底分析!・・オリンパス関与や欧州CDS損で日銀がそっぽを向いた?」
コメント欄は前半はいたって普通に、野村證券の破綻の可能性が論議されていますが、
ある方のコメントから、突然、「宇宙人の陰謀」がコメント欄を占拠します。
すると、まともな議論は駆逐されてしまいます。
中学生のイタズラ的な書き込みならいざ知らず、
ある程度の知性を備えた人物による「宇宙人論」は「異常」を感じます。
人間は「異常」には関わりたく無いので、
このコメント欄は事実上、機能しなくなります。
私は「宇宙人の陰謀」は、社会的影響の大きな「真実」の情報に付きまとう様に思えます。
逆に言えば、「宇宙人の陰謀論」は「腫瘍マーカー」の様に、
「知られては困る真実」のマーカーとして機能していると考えます。
私のブログでも、先日、「宇宙人の陰謀」のコメントを頂きました。
「NDAA 国防権限法」・・・暴動に備えるアメリカ?という記事へのコメントです。
私の勝手な憶測でもし訳ありませんが、
この記事の内容はもしかすると「真実」に近いのかも知れません。
■ ベンジャミン・フルフォードという「あらし」 ■
ベンジャミン・フルフォード氏のかつての言説は、
911の件なども含めて、それなりに信憑性がある様に思えました。
しかし、氏の言説はだんたんと、エキセントリックに変化し、
最近では「宇宙人」こそ登場しませんが、
かなり「キワモノ」な発言が多くなった様に思われます。
そんなベンジャミン氏の言説の変化を追えば、
むしろ「陰謀を働く者達」の思惑が透けて見えるかも知れません。
以前はベンジャミン氏はこう主張されていました。
1) イルミナティーは2012年に世界を崩壊させニュー・ワールド・オーダーを実現する
2) ブッシュこそが「悪魔を崇拝する者」である
3) ブッシュ・ジュニアが有能で無かったので、世界は救われた
4) オバマの名前には「悪魔」という意味が含まれている
5) オバマこそが、世界を破滅に導く
最近のベンジャミン氏の言説はだいぶ変化しています
1) 2011年8月にヨーロッパの貴族達が57カ国の代表を集めて会議を持った
2) その会議からは、ロスチャイルドもロックフェラーも外された
3) アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、フランスの首脳も呼ばれなかった
4) ユーロの防衛が決定された
5) 金融危機を招いた者達が大勢逮捕される(された)
6) デイビット・ロックフェラーと彼の一族は拘束された
7) ジェイ・ロックフェラーも拘束された
8) 第三次世界大戦は回避された
そして最近では
9) ドルの生き残りが決定された
彼の言説を信じるならば、次の様な結論になります。
「2012年にイルミナティーの計画した世界崩壊は回避され、ドルもユーロも守られる」
しかし、もし彼が「ウソの情報」を紛れ込ませていたならば、
「2012年に世界経済は崩壊し、ドルもユーロも崩壊し、世界大戦が勃発する」
と受け止める事が出来ます。
■ 「誰が一番得をするのか」を考えれば良い ■
「陰謀論」的に世界を再構成する場合の有効な視点に
「誰が一番得をするのか」という基準があります。
例えば、前回の「世界恐慌」で一番得をした者達を分析すれば
1920年の「世界恐慌の目的」が理解出来ます。
1920年の世界恐慌は「ニューヨーク株式市場の暴落」に始まります。
これは、低利で有志されていた投資資金が短期間に回収されて引き起こされました。
さて、それによって得をしたのはロックフェラーです。
ロックフェラーは株の暴落を利用して、
アメリカの土着の企業と、ロスチャイルド系の企業の買収に成功します。
事実上、アメリカの乗っ取りに成功したのです。
その一方でナチスドイツに資金を提供し、
ヨーロッパを戦火に巻き込みます。
日本に戦争を仕掛ける事で、
ロスチャイルドが明治維新以来育てて来た日本の利権を
奪う事にも成功します。
■ 今回の金融危機で誰が一番得をするのか ■
今回の金融危機に際しては、ロックフェラーの退潮が顕著です。
日本においても「citi Bank」が行政指導の狙い撃ちにされ、
「エクソン」は日本から撤退します。
これらの事象は、ロスチャイルド系企業が資金難に陥っている事を暗示します。
今金融危機が発生すれば破綻を余儀なくされるのは
ロックフェラーの企業群では無いでしょうか?
そして、ロスチャイルド系の企業や金融機関が、
それらの暴落した株を二束三文で買い叩くのでしょう。
■ 金融危機は「発生する」のでは無く、意図的に「発生させられる」 ■
「日本国債が破綻するかどうか」の議論が盛んです。
しかし、この議論は全く無意味です。
日本がアメリカ国債を買い支えている以上、
日本の破綻によって、日本が米国債を手放す事で、
連鎖的にアメリカが破綻するという筋書きは、可能性が低いのです。
この場合は、アメリカの破綻後に日本が生き残る可能性は皆無なので、
いくらテクニカル的に日本国債が延命可能であっても、
日本や世界はアメリカと運命を共にする事になります。
一方、アメリカの破綻を引き起こす為に
日本を破綻させるという筋書きも考えられますが、
この場合も、目的はアメリカの破綻ですから、
世界経済は道連れとなります。
■ 世界同時破綻のタイミングと、何が生き残るのかの問題 ■
現在、世界は深く繋がっていますから、
ユーロ圏が破綻しても、アメリカが破綻しても、
日本が破綻しても、中国が破綻しても、結果は同じです。
結局「世界同時破綻」が発生し、
どの国の国債も、どの国の通貨も一度は価値を失います。
問題はそのタイミングと、その後の世界をどう運営するかです。
例えば、世界同時破綻であれは、
主要国間のレートはそれ程大きく変化しません。
ですから、主要国通貨が消滅する事は防げるかも知れません。
さらに全ての国がデフォルトするのですから、
どこかの国だけが信用を失う訳でもありません。
ただ、自国通貨で国債を発行している国は
その債務を自国通貨の増発でチャラにする必要があります。
その際、対外資産は踏み倒される可能性は低くありません。
そうして、各国が通貨を大増刷すれば、インフレが発生し、
過去の債務は相対的に軽減されます。
■ 通貨の価値を裏打ちするのは「金」か「原油」か ■
全ての通貨が信用を失った場合、国際決済に支障をきたします。
様は基軸通貨ドルが崩壊してしまえば、国際決済が不能状態になります。
そこで、一番簡単な方法は、ドルをアメリカから切り離して、
国際決済通貨としてIMFの管理下に置くことです。
この際、米国内で流通するドルと、世界通貨としてのドルは区別される必要があります。
現在、世界の貿易決済システムや金融決済システムは
ドルを中心に構成されていますから、
ドルが生き残れば、各国が現在使用しているシステムはそのまま使えます。
後は「世界通貨ドル」にどうやって信用を与えるかですが、
私は「原油の決済通貨をドルにする」方法が取られると思います。
巷では「金兌換制度の復活」の声が聞こえますが、
「金」は世界通貨の価値を裏打ちするには、圧倒的に数量が不足します。
むしろあらゆる経済活動の基本となる「原油」を裏打ちと利用する方が余程合理的です。
■ 金は儲からないが、ヘッジにはなる ■
現在、個人のみならず、中国やインドなどが物凄い勢いで金を買い込んでいます。
その出所はアメリカだったり、IMFであったりします。
これは表面的には新興国に金を持たせて、
彼らの通貨の安定を図ると解説されています。
金は高騰している様に見えますが、
世界の国々は通貨を大量発行していますから
総量に限りがある金の値上がりは、
単にインフレを反映しているだけです。
ですから今後金が2000ドル、3000ドルとなったとしても、
それは儲かるのでは無く、貨幣価値を金で保存した事になります。
ですから、金はデフレ下の現在こそ儲かりますが、
ひとたびインフレが発生すれば、イオンレリスクを回避するだけの物となります。
しかし、相場ですから、加熱すれば儲かるし、
熱から冷めれば、下落する事は仕方の無い事です。
金にリスクがあるとすれば、「国家による接収」と「自由市場の閉鎖」でしょう。
これだけは予測出来ませんから、金が完全にリスクフリーと言う訳ではありません。
■ 崩壊はいつだ? ■
「崩壊など起こらないさ」と私も信じたいのですが、
やはり、世界を見ていると、「崩壊」と「再編」が不可避に様に思えます。
そうなると、誰もが気になるのは「崩壊のタイミング」です。
ギリシャの国債償還のタイミングで2012年3月20日なのか、
FRBがドルの発行権を失うと言われる2012年12月なのか、
それとも、2013年や2014年なのか・・・・。
私は「崩壊」は一気に訪れると思います。
タイミングは「再生」の準備が出来た時です。
「再生」とは原油高騰によって、原油決済通貨の存在が不可欠となる時ですから、
多分「イラン戦争」の準備が整った段階、
あるいは「イラン戦争」が発生した後の早いタイミングでは無いかと思います。
世界が金融恐慌に突入すれば、アメリカと言えども戦争継続は不可能で、
アメリカの中東からの退却の口実に、金融恐慌が用いられる可能性は否定出来ません。
ですから「イラン戦争」に突入し、ホルムズ海峡が封鎖され、
それが金融恐慌の引き金になって、世界の再編が発動する・・・。
そんな筋書きが、「後世の教科書」に載せても違和感の無い筋書きの様に思われます。
悪いのは「イランだ!!」と出来る訳です。