人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

必殺シリーズ・・・「命もらいます」

2012-02-21 14:57:00 | 時事/金融危機
 

■ 憂露組から足抜けさんざぁ出来ねえぜ・・・ ■

「憂露の旦那ぁ、頼みますぜぃ、もう少し返済額をさげちゃもらえませんかねぇ・・。」

「お前さん、借りた金はきっちり返すってのが、義理ってもんだろう。
 なんだい、あんたの名前にある義理たあ、そんな薄っぺらな義理なのかい。」
「なんでも、あんたの倅は、昼間っから女と出歩いているって噂じゃないか。
 先だっても、徒党を組んで大暴れして、高利貸しの店に火をつけたとか・・・。」
「そんな、世間様に迷惑かけといて、借金まけてくれたあ、百年早いんじゃないかい。」

「でも、旦那、このままじゃ、あっしもかみさんも、借金踏み倒して、
 夜逃げしなきゃなんねぃ・・」

「夜逃げだぁ。バカ言うんじゃないよ。
 憂露組を足抜け出来るとでも思ってんのかい。
 そんな事したら、お前は確実にそのに堀に浮かぶ事になるだろうよ。
 可哀そうに、かみさんも娘も女郎屋送りさ。」

「まあ、そこを何とか、だんな、あとちょっと金があればどうにか・・・」

「仕方ねぇなあ。これきりだよ。
 金貸し達には俺から良いように言っとくよ。
 そのかわり、この証文に判をついちゃくれないかい。」

一) 憂露組の借金は優先的に返済する
二) 高利貸しの借金は半分はきっちりと払う
三) 女房と子供もしっかり働く
四) 稼いだ金はまず返済

「旦那、分かりやした。
 これならどうにか借金が返せそうですぜ。」

「そうかい、俺もお前を見捨てたくはねえんだ。
 ただな、おれも姉さんの顔は立てなきゃなんねえ。
 姉さんさんにも立場ってもんがあるからな。」

■ お前さん、何無理な約束してんだよ ■ 

「お前さん、猿相手に何無理な約束してんだよ。」

「だて、お前、こうでもしなきゃ、俺は命がねえし、
 お前だった女郎屋行きだ。」

「あたしも子供達もやだからね。
 あくせく働いて、みんな組に持って行かれるなんざ、まっぴらだよ」

「でも、俺らがまっとうに働けば、返せねえことは無えだろ。」

「まっとうに働くって、うちの家系が一度でもまっとうに働いた事があったかね。
 あたしはやだよ。
 あたしゃ、こんな家出てくよ。
 子供たちだって、どうせ組に売られるくらいならあたしが連れていくよ」

「おい、お前らの稼ぎがたよりなんだよ・・・」

■ 「さあきっちり金は返してくれるかい」 ■

「どうだい、義理舎。金は用意出来たかい。」

「へえ、それが旦那、女房と子供らが出ってちまいました。
 とても俺一人の稼ぎじゃ・・・・」

「何だって、それじゃあ俺の面子が丸つぶれじゃねえか。
 ねえさんに何ていやいいんだよ。」

■ 「まあ、義理舎には可哀そうだけど・・・」 ■

「猿、どうだい義理舎は金を返してくれたかい?」

「へえ、それが姉さん、あいつ女房子供に愛想つかされやして・・。」

「まあそんな事たあ、先刻分かってるけどね・・・。
 それはそうと、片は付けたんだろうね。」

「へえ、きっちりと堀に浮かべときました。
 他の者たちの見せしめにはなるかと。」

「そうかい、裸天界隈の連中は金にだらしないからね。
 これでちったあ本気で働く気になるといいね。」

「ところで、姉さん、組のうるさ方の方はどうします。」

「そっちも義理舎を見たら金くらい出すだろう。
 そりゃあ、夜逃げされたら貸した金は、返ってこないからね。
 義理舎には可哀そうな事をしたけど、身からでた錆からね。」


その時、天井裏で聞き耳を立てる「岬の千蔵」の存在を二人は知る由も無い。