人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

<再録シリーズ>「茄子・スーツケースの渡り鳥」・・・昔のジブリはここにある

2012-02-13 11:30:00 | 分類なし
 

債権危機で混乱するヨーロッパですが、
Yotubeでヨーロッパの街並みや、
デモの一種「お祭り騒ぎ」を見ていると、
どうしてもこの作品を思い出してしまいます。

紹介しているのは第2作目で日本が舞台ですが、
1作目は、スペインのアンダルシアが舞台です。

石畳の街路を疾走する自転車に、
「ああ、カーボンバイクってこういう路面の為にあるものなんだ」と実感します。
日本の舗装道路を走っていて、
「カーボンはロードのショックが小さい」なんて、関係無いですもんね。

ちなみに、先日、久方ぶりにロードバイクを持ち出して仕事に出かけたら、
何と途中でパンク。
ヤフオクで間違って落札した古いLemondのカーボンバイクは、未だにチューブラタイヤ。

スペアータイヤを持っていたから助かったけど、
寒風の中、ガチガチに固着したタイヤをリムから剥がすのが一苦労。

何で舗装道路でパンクなんかするかね・・・・。

<再録シリーズ>「「茄子・スーツケースの渡り鳥」・・・昔のジブリはここにある」
2008.09.09 「人力でGO」より



日本では「自転車レース=競輪」ですが、
海外では圧倒的にロードレースが花形競技です。
有名選手はF1レーサ並みのスターです。

ロードレースは陸上で例えるならマラソンでしょうか?
基本的には筋肉マッチョの競輪選手と違い、
ロードの選手はスリムな体系をしています。
それでも、ゴール間際のスプリントは力勝負ですし、
上り坂、下り坂、走行距離によってもそれぞれ適正がありますから、
マラソンよりも、複雑で見ていて楽しいスポーツです。

さらに、時速40kmを越えれば、力の殆どは空気抵抗でロスしますから、
チームや集団で走行し、味方や敵チームを風避けに使いながら
最後にどれだけ「足を残している」かが、勝敗を分けます。
この駆け引きだけでも、ゾクゾクするものがあります。

自転車のロードレースを手っ取り速く知りたければ、
漫画「オーバードライブ」が分かり易いかと思います。
ストーリーテーリングは下手ですが、
自転車レースについての基本は良く分かります。

さらに、自転車レースの奥深さを堪能したい方にお勧めなのが、
黒田硫黄の短編集「茄子」を原作としたアニメ
「茄子・アンダルシアの夏」と、
その続編「茄子・スーツケースの渡り鳥」です。

本来は原作者の「黒田硫黄」で取り上げようかとも思っていましたが、
高橋希太郎のアニメ「茄子・スーツケースの渡り鳥」が
原作を越える、あまりにも良い出来なのでちょっと感想など。

ぺぺ・ベネンヘリはチーム・パオパオ・ビールに所属する
スペイン人のロードレーサーです。
パオパオは、2流チームで,なかなか勝ちにも恵まれていません。

1作目、「茄子・アンダルシアの夏」は、
ぺぺの地元、スペインのアンダルシアでのレースが舞台です。
レース当日は折りしも、ぺぺの兄の結婚式の日でもあります。
しかも、その相手はぺぺの元カノ・・・。
そんな、特別な日でも、ぺぺはチームのエースのギルモアを勝たせる為、
アタックを仕掛け、アンダルシアの強風の中、黙々とペダルを漕ぎ続けます。
ところが・・・何と、ギルモアが転倒してレースリタイア。
ぺぺは一人、ゴールを目指して戦う事となります。
そんな、彼の脳裏には、捨てたはずの郷里での思い出が去来します。

実は、鳴り物入で劇場公開された第一作は、失敗作です。
黒田硫黄の漫画があまりにも素晴らしく、
アニメが漫画に食われてしまっています。

ところが、DVDでしか発売されない2作目は「大傑作」でした。

ぺぺとチーム・パオパオはジャパンカップ出場の為に来日します。
かつてのチームのエース、ギルモアは敵のチームに移籍しています。
今のエースはぺぺでしょうか、あるいはキヨッチか?
来日直前に、キヨッチのかつてのチームメイトでスター選手の
マルコ・ロンダニーニが、睡眠薬自殺をしていて、
キヨッチはいろいろと進退に悩みながらもレースに臨みます。
ジャパンカップのコースは宇都宮森林公園。
起伏のある周回コースです。
レース当日は土砂降りの雨。コースは川の様な有様。
先頭集団に2人の選手が残るパオパオは有利にレースを進めますが、
そんな時、ぺぺにアクシデントが・・・。
そして、後続集団から、スーパースターのザンコーニが猛烈な追い上げを掛け・・・。
っと、今回の見所ははっきり言ってレースです。

原作は本当にちょっとした小品で、たいした事ないのですが、
それゆえに、アニメ化に際しての自由度が高かったのでしょう。
そして、高橋希太郎が吹っ切れたのか、
アニメらしい動きとキャラクターが、物語を引き立てます。
ぺぺはどう見てもルパンだし、チョッチ(キヨッチ)はジゲンです。
ジブリ作品的な美少女も加え、
マッドハウスの作品ながら、近作のジブリよりも余程ジブリらしい作品です。

そして、脚本が素晴らしい。
黒田硫黄の原作、プロットだけの作品ですが、
それを、よくも1時間の作品にしたなと感心します。
自然な話の流れに適当な陰影と、見せ場があり、
スムースに自転車レースの世界に入って行けます。
そして、しっかりと原作のツボは押さえている。

さらに、何よりも圧巻はレースシーン。
前作は起伏の少ない、アンダルシアの大地が舞台で、
さらに、単独行という事もあり、レース的な見せ場は少しでしたが、
今度の舞台は、ツールド・ジャパンの起伏の激しい周回コース。
原作にはない悪天候という要素も加わって、
各チームの駆け引きや、各選手のテクニックが緻密に描かれていきます。
あ、このチームはシマノだ、ぺぺはカンパだ・・・。
ウワー、この登りでザンコーニはアウターにチェンジしちゃったよ・・・・。
なんていう楽しみ、見所が満載。

とにかく、自転車好きも、ジブリ好きも、黒田硫黄ファンの
見ないと損する一作です。




覚悟を決めるべきはドイツ国民・・・ユーロ危機最終段階へ移行

2012-02-13 08:25:00 | 分類なし
 




■ ギリシャが燃えている ■

ギリシャが文字通り燃えています。
ギリシャ国会は財政緊縮案を可決しました。
13兆4000億円(1300億ユーロ)を得るための代償は次の通り

1) 公務員を1万5千人削減(全公務員の2%)
2) 最低賃金を22%引き下げる

さらに年金の削減も要求されている様で、
ギリシャ国民には到底容認出来ない内容です。
昨晩はとうとう建物に放火が始まり(7か所)ましたが、
暴動がさらにエスカレートすれば、政権崩壊という事態も想定されます。

■ ユーロを2分割出来るか? ■

最近、「ユーロをGoodユーロとBadユーロに分けるべき」という意見を耳にします。
ドイツやオランダなど比較的財政が健全な4か国で、
新ユーロを設立すべきだtいう意見です。

もしこんな事が実現したら、先ずBadユーロが暴落します。
同時にBadユーロに分類された国の国債が売り込まれて暴落し、
これらの国々はデフォルトを選択せざるを得なくなります。

一方、Goodユーロに分類されるドイツなどの債権国は、
Badユーロ諸国の債権に投資しています。
同時にドイツの銀行は、大量のCDSを発行しています。

Badユーロが暴落すれば、Goodユーロ諸国の債権の含み損が拡大します。
さらにデフォルトという事態になれば、CDSの支払が発生します。
尤も、こちらはBadユーロの減価によって、
ドイツなどの負担は軽減されますが・・・。

これはドイツがマルクに回帰しても同様に発生するリスクです。
これはギリシャのユーロ離脱と同じ意味を持つので、
Goodユーロの国々も相当なダメージが予想されます。

■ ドイツ国民はハラをくくる時が来た ■

ギリシャ情勢は、暴動が政府転覆へと発展しない限り、
一進一退を繰り返すでしょう。
そうしている内にドイツも逃げ場を失います。

そもそもギリシャ国民の主張は全く正しく、
ユーロの恩恵を最大に享受したドイツが、
その利益をPIGSに還元しなかった事がユーロ危機の本質です。

統一通貨は統一財政無くしては昨日せず、
必ず富の偏在化を生み出します。
東京の税収が沖縄で使われるのと同等に、
ドイツの税収が、ギリシャに投入されなければ成り立たないのです。

沖縄県人が「なんくるないさぁー」と言って余り働かず(職が少ない)
その為に東京の人の所得税や消費税が沖縄で使われたとしても、
その事に目くじら立てる日本人を多くはありません。

ところがドイツ人は目くじらを立てているのです。
EUはあくまでも地域連合であって、国民国家では無いのです。

だから現在ハラをくくるべきは、ギリシャでは無くドイツなのです。
相応の被害を覚悟して、ユーロを離脱するか、
それとも全力でユーロを守るのか?

■ ギリシャは生贄として選ばれた ■

ギリシャが危機になったのには意味があるのでしょう。
やはり、借金をコツコツと返す国民ではインパクトがありません。

ショックドクトリンによってユーロ統一を目指すならば、
経済規模が小さくて、そして国民が暴動を起こしそうなラテンな国が良い。
そう、ギリシャ危機は起こるべくして起きているのです。

仕掛けをしたのはゴールドマンです。
ギリシャ危機を乗り越えてEUが財政統合に向かうなら、
ゴールドマンも含め、ある目的を持って世界は動かされている事になります。

欧州とGSやJPモルガンが対立しているのか、それとも共謀しているのかで、
今後予測される世界の姿が大きく変わってきます。
その意味でも、ギリシャとユーロからは目が離せません。



■ 国民の目をユーロ危機からそらす日本のメディア ■

日本のメディアも今朝はギリシャの暴動を伝えています。
しかし、その報道は、「アリバイ」作り程度の扱いです。

要は、ギリシャ危機がユーロ崩壊に発展した場合、
全く報道していなかったのではメディアの責任を追及されます。
でしから、「一応は報道した」というアリバイ工作をしているのでしょう。

欧米のメディアがギリシャにくぎ付けなのに対して、
日本のメディアは、「ホイットニー・ヒューストンの急死」と、
「天皇様、心臓手術」を大きく伝えています。

私には殆ど、メディアによる犯罪行為にしか見えません。

しかし、危機を煽ると日本人は極端ですから、
大勢の人達が銀行に殺到してしまう恐れがあります。
そうなれば、日本国債が暴落する事も考えられ、
日本発の世界恐慌という不名誉な事になる可能性が生じます。

アメリカが存続する間は、日本はボッコボコのサンドバック状態でも
リングに立ち続ける必要があり、
メディアは決して私たちに本当にリスクを伝える事は無いのでしょう。


最後に12日夜のギリシャ



年配の方には、学生運動の思い出が蘇るかも知れません。
私には、東欧諸国の崩壊の映像がダブります。


ただ、一つ言える事は、銃を持たない市民の抵抗はこの程度という事。
これがもしアメリカだったらと思うとゾっとします。

<追記>

とうとう暴動は全土に拡大し始めましたね。

「ギリシャ議会が財政緊縮関連法案を可決、抗議行動は拡大」(ロイター 2012.02.13  11:00)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81K39120120213

<引用開始>

(前略)

議会外のシンタグマ広場では、若者が石や火炎ビンを投げ、武装警官は催涙ガスで応酬。首都アテネ市内では抗議行動が先鋭化し、店舗や銀行などが放火され略奪行為も見られた。警察によると火災は34カ所に及び、店舗150カ所で略奪があった。

報道によると、観光客の多いコルフ島やクレタ島、北部の都市テッサロニキなどにも抗議行動による混乱が広がっている。

<引用終わり>

上の映像よりも、下の映像が現実に近いかも知れません。
結構ヤバイ感じです・・・。

[[youtube:PmBT-jYudjI]]