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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

その時ギリシャ国民はどういう行動を取るのか・・・ギリシャ政府が煮え切らない訳

2012-02-09 12:13:00 | 時事/金融危機
 



「この動画はお住まいの国では公開されていません」というメッセージが出ます。
誰かギリシャの暴動の真実を知られたく無い人でも居るのでしょうか?

直接URLを貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=m9FuZXmG7c0

■ ギリシャ政府がゴネる理由 ■

ギリシャ支援の協議が大詰めを迎えています。
焦点はギリシャがEUが求める緊縮財政を実行出来るかどうかです。

冒頭の映像は昨年6月に起きたギリシャ国内のデモ(暴動)の様子です。
15歳の少年が警官に射殺された事に端を発した様です。

ギリシャ国民にしてみれば、EUの干渉は余計なお世話です。
「緊縮財政を押し付けられて、給与が減額され、税金が高くなるならば、
借金を踏み倒せばいいじゃないか」と思うのは、人間としては当然の発想です。

ギリシャがデフォルトして、ユーロを離脱した場合のリスクは、
多分、緊縮策を受け入れたと同様、あるいはそれ以上に厳しいのでしょうが、
眼前にある損失にしか人間は気付ないのです。

結局、EUの押し付ける改革を実行した場合、
国民の間で大暴動が起こり、政権維持が不可能になる事を
ギリシャの各政党は恐れています。

だから、ギリシャの政府はギリギリまで粘るのです。
彼らの手には、デフォルトして世界を道連れにするという、
最強のカードが握られているのですから・・。

■ 国民は国家の思い通りに行動するか ■

日本の様に飼いならされた国に暮らしていると、
国民が武器を手に、国家や政府に抵抗する姿はイメージ出来ません。
ネットなどで、どんなに政府を批判しても、
火炎瓶を国会に投げつける様な勇気を持った若者は居ません。

しかし、ラテンの国々の人々は、まだまだ熱い魂を宿しています。
サッカースタジアムで時折見せるアグレッシブな行動を、
街路で繰り広げないという保証はどこのも無いのです。

そして、暴動は一度火が付いてしまえば、
エネルギーを解消するまでは燃え広がります。
それまで貯めていたストレスが大きければ大きいほど、
一気に爆発します。

■ テクノクラート VS 怒れる国民 ■

ユーロッパのテクノクラート達は、
どれだけギリシャ国民の熱き魂を理解しているでしょうか?

会議の机上では、ギリシャが再建案を受け入れたとしても、
国民が納得しなければ絵に描いた餅です。

あるいは、その「熱き魂」を見込んでの「ギリシャ危機」なのでしょうか。
燃え上がる群衆、燃え盛る町や車の映像が流れた時、
ヨーロッパは統一に向かうのか、それとも一気に瓦解に向かうのか・・・。

こんな映像を見ていると、たとえ支援が実施されたとしても、
その後にまだまだ、ひと悶着起こりそうな悪い予感もしてきます。

放射線では死なないが、避難によって多くの命が奪われる現実・・・基準によって殺された人々

2012-02-09 05:18:00 | 福島原発事故
 

■ 避難によって失われた573人の命 ■

災害関連死、573人認定…福島の13市町村 YOMIURI ONLINE 4.3.2012
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120203-OYT1T01229.htm

<引用開始>

東京電力福島第一原発事故で、政府から避難などを指示された福島県の13市町村で昨年、計573人の災害関連死が認定されたことが、各自治体への取材でわかった。

 避難が複数箇所に及んだり、長期化したりした結果、審査が難航するケースも目立つという。審査入りした634人のうち、29人は再調査が必要として認定が保留されている。

 13市町村は、警戒区域や緊急時避難準備区域(昨年9月末に解除)、計画的避難区域に指定されるなどした南相馬、田村、いわきの3市と、双葉郡8町村(浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野町、葛尾、川内村)、川俣町、飯舘村。計748人の認定申請があり、634人が審査を受けた。このうち573人が認定された。不認定は28人。4人は書類不備で再申請を求められ、29人は保留とされた。

(2012年2月4日03時00分 読売新聞)

<引用終わり>

■ 認定基準は長岡市の基準を採用 ■

認定基準は長岡市の基準を参考にしている様です。

・地震発生後1年間までの死亡は関連死と「推定」
・地震発生後1カ月以内の死亡は「可能性が高い」
・地震発生後1カ月以上の死亡は「可能性が低い」
・地震発生後6カ月以上経過後の死亡は「震災関連死でないと推定」

福島第一原発事故によって、避難生活を余儀なくされ、
持病が悪化して死亡したケース、
ストレスが高じて死亡したケース、
医療機関や交通の麻痺で死亡したケースなどが該当すると思われます。

■ 避難によって生じた死者 ■

福島原発では現状、急性の放射線障害で亡くなった方は居ません。
将来的な放射線による死亡者は、LNT仮説が偽りであるならば、
周辺住民に関しては、0人という可能性もあります。

事故直後の比較的放射線の高い時期の避難は当然必要です。
しかし、放射線レベルが下がった後の
20(mSv/年)とか50(mSv/年)という放射線量に
どれだけの危険性が存在するのか、私は疑問に思っています。

1(mSv/年)や20(mSv/年)も危険という防護基準によって
避難生活を余儀なくされた方の中から
少なからぬ犠牲者が確実に発生しています。

573人全てでは無いにせよ、
比較的汚染の少ない地域の病院からの搬送が原因で亡くなった方もいるでしょう。


■ チェルノブイリと似た状況が生まれている ■

放射線が健康にどの程度影響を与えるかどうかは、
今後20年、30年を経て次第に明らかになってゆくでしょう。

放射線とその影響の真実が明らかになったとき、
私達はどの様な思いで福島原発事故を振り返るのでしょうか?

「災害関連死」と認定されるのは、災害発生から1年以内の死亡した場合です。
しかし、避難によるストレスで亡くなる方は1年後にもいらっしゃるでしょう。

これらの犠牲はチェルノブイリでも顕著に確認されていて、
WHOなどの国際機関も認める所となっています。

■ 放射線ほ恐怖を不必要に煽る方達に「反省」という言葉は存在しないのか? ■

バズビーをはじめとした、「放射線の恐怖を不必要に煽る」人たちは、
放射線では人は死なないのに、
不要な避難によって確実に犠牲が生じている事実をどう受け止めているのだろうか?


「放射線は危険でないかもしれない」というデータがこれだけ沢山世の中にありながらも、
それを一顧も顧みないで「全否定」する方々の思考は、
「悪いのは政府だ」という、昔の学生運動から抜け切れていません。

彼らに言わせれば、福島の強制避難で亡くなった方は、
「政府の無策による犠牲者」となるのです。

彼らには自分達の言動が、避難民にストレスを与えているという自覚はありません。
彼らが「反省」する事は、現在も、将来においても、決して無いのでしょう。