魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

パーカー攻略法 前編

2007年01月20日 | ワイン ~2020年
数々の場面でワインの説明文を読んだことのある方なら、一度や二度は
「パーカーポイント」(略してPPと書かれることもある)
という言葉は聞いたことがあると思います。今日はそのパーカー氏についての傾向と対策を考えてみましょうか。


世界ナンバーワンの知名度を持つワイン評論家ロバート・パーカーJr氏。
彼については検索するといくらでも出てきますが、ひとことだけご紹介。

アメリカ人の彼が発行する「ワイン・アドヴォケイト」誌(写真)、その中で
ワインを100点満点の点数制により評価することで、センセーショナルなワイン観、
価値観を世界に巻き起こしました。世界で最も影響力のある評論家なのです。

彼がひとたび100点満点を付けると、価格は上昇し、シンデレラワインとなり、
投機の対象となり、ショップから一瞬で姿を消します。
手厳しい評論でこき下ろすとメーカーとの間で裁判さえ起こったりします。
もともと弁護士でしたが、10数年前からワイン会のカリスマ、「帝王」になったのです。

彼の雑誌には広告(スポンサー)が一切ありません。だからこそ公正な
コメントが出来るわけです。(ここは誰が何と言おうと偉いところです。)

手厳しいコメントや辛い点数があってこそ、満点の時のパワーの炸裂度は
激しいのです。最近の流行で言うところの、いわゆる「ツンデレ」状態が
作りだした「デレパワー」のようなものです。


そのパーカーさんも最近は、かつての様な厳しさも減ったような気がします。
業界人や造り手と馴染みになり、どうしても辛辣なコメントがしにくくなった
としてもおかしくはないでしょう。点数もどことなく甘く感じています。

そんな彼を「人間が丸くなった」とか「少しは大人になった」とか、言う
方もいますが、コメントを読む私達、読者側も「馴れたぁ?」という部分も大きい
のでしょうか。



さあ、今日はパーカーポイントをどのように利用するのが賢いかを考えましょう。

1、パーカー高得点のワインをリリース時に安く買って、来たるべき日に備える。

これは普通です。「来たるべき日」といのは、子供の誕生年だったり、
結婚記念や何かの記念の年のものだったりを買って・・・、「今買えば○○だけど、
安い時に買っていたからこうして飲めるんだよ」という、誰にとってもありがたい
恩恵を受ける日かも知れませんし、オークションで高値で売り抜ける日だったり
もするわけです。ワインへの投資は、金利のほとんど付かない預金よりは
マシかも知れません。しかし、ワイン愛のある方はやめて下さいね。


2、パーカーのクセを見抜いてワイン選びの参考にする。

パーカーの好きなワインは決まっています。高得点の条件は、ノンフィルターで
濃くて、堂々として格調高く、奥行きと複雑味があり、ポテンシャル(潜在能力
や熟成能力)が高く、そして余韻が長いものです。
確かにこれらは良いワイン条件です。ですから、ポイントの高いものはそんな
タイプのワインだ、ということを踏まえて推測するのがいいでしょう。

 不思議なもので、個人の嗜好は見事なまでに人それぞれに違います。パーカー
が好きなものをあなたが好きという保証はありません。
むしろ高得点のものは濃い~ので、飲みにくさもあります。それを避けるには
あまり高得点に走らないことです。
低い評価のワインを、素晴らしいと思っても一向に差し支えありません。
むしろ普通は87~89点程度が美味しいから、あーら不思議???



とここまで酔った勢いで書いてきましたが、まあ至極普通で常識的です。
さて、本音は3、4と続きますが、長くなりますのでまた明日。m(_ _)mヨロシク




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2 コメント

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Unknown (みもざ)
2007-01-20 08:05:40
ポイントが高いワインにビッグなワインが多いのは、
1日確か200位の数をこなすから、というのもあるでしょうね。
繊細な物がその中に混じっていても目立たず、
ビッグな物は目立ちやすいから仕方ないのかも。

でもよく考えたら、プロの試飲会って150アイテムとか、
数時間の間に試すのは普通ですよね。
目的を考えながら試すからとらえ方も違ってくるけど、
点数をつけるだけとなるとそうやって偏るのは当然かもしれないですね。
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Unknown (ラリラリ・ピノ)
2007-01-20 14:54:02
1週間に250本ペースだと本に書いてありましたよ。
まあ、実際は多いときも少ないときもあるでしょう。

たくさん飲んでいると、タンニンや酸や濃度に対して平気
になってしまうのが恐いところですね。
きっと誰がやっても偏りますよ。

しかし、みんなそうですが、誰かが「すっごく美味しい!」
と言うと、確かに美味しく感じるし、「まずい!」と言われると
心から美味しさを楽しめませんよね。単純だけど後者の方は
ちょっとショックを受けます。
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