大学時代に出会った友人との還暦小旅行。
その友人が、銀座教文館に行ったときに教えてくれた一冊の本。
『あなたの人生を愛するノート』フィルムアート社 1500円+税
しっかりしたハードカバーです。
アルフォンス・デーケンという、
上智大学で長く「死の哲学」などの講義を担当されていた教授の本。
『よく行きよく笑いよき死と出会う』(新潮社)、
『死とどう向き合うか』( NHKブックライブラリー)、
『生と死の教育』(岩波書店)など多数の著書があり、
一般的にもよく知られた哲学者です。
題名にあるように、
本ですけど、ノート形式になっています。
一口に言えば、「自分の人生を振り返るノート」と言えるでしょう。
これは、
彼の定義で言えば、
退職後の人生を第三の人生(教育を受けて自立するまでが第一の人生、社会人として働いた時期を第二の人生)と位置づけ、
第三の人生を生きるために、
それまでの自分の人生を振り返るためのノートなんです。
第三の人生には6つの大切な課題があると彼は言います。
第一は「手放すことを身につけること」
第二は「許しと和解」
第三は「感謝の表明」
第四は「さようならを告げること」
第五は「遺言の作成」
そして第六は「自分なりの葬儀の方法を考え、それを周囲に告げておくこと」です。
この六つの課題をこなしていくために、
ノートに記入するというプロセスを辿るのです。
ノートには、かなり詳細に問いがあり、
その一つ一つに向き合うことになります。
子供時代からのあれこれ、
例えば父母のこと、兄弟のこと、影響を受けた人、
心に残っている出来事、夢中になったこと・・・など、
パラパラッとそのトピックスを見るだけでも、
いろんな思い出がよみがえります。
これは、
前にご紹介した『もしもに備える安心ノート』のような
事務的なもの、法律的なものとは違います。
こういうノートこそ一冊あってもいいかなと思いました。
納戸にはわたしが若かった頃によく書いていた日記もまだたくさん残っています。
片付けようと思ってもなかなか片付けられない大切な記録。
でも、
それはわたしだけの宝でして、
他の人にとっては重荷になるものかもしれない。
今という時期に、
それを片付けながら、本当に大事な記憶や記録だけ、
このノート1冊に集約して、
その他のものはちょっとずつでもシュレッダーできたらいいな。
わたしの亡き父は、
何十年も日記をこまかく書き続けてきた人でしたが、
自分が老人ホームに入る頃には、
全てをきれいに処分していました。
何も残っていないことで残念な気持ちにもなりましたけど、
残しておいてくれても、読むのも時には辛いものだし、
そんなにキッパリ捨てることもできないものになりそう。
父自らが処分してくれていたことは、
結果的にわたしたちのいろんな負担をかなり減らしてくれたことになりました。
わたしには父のような潔さはなくても、
雑多でたくさんある思い出のものも、
この1冊に集約していくことで、
自分なりに処分していけるかなとも思ったり・・・。
この夏、一冊の本に出会って、
自分のこれまでのものの整理の道筋も考えやすくなったかもしれません。
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『六本木クラス』の第五話を見ました。
竹内涼真くん演ずる新の前に次々に現れる協力者・・・。
いつの間に・・・という感じです。
一見したところ、彼自身はそれほど個性的な人ではないように思えるのですが、
ただただ真っ直ぐな信念の持ち主であることが魅力なのか、
それとも実は隠れた策士なのか・・・。
さてさて・・・。
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