バイクドック入り2日目です。
異音の原因究明のために、腰上部分を開ける作業が始まりました。
サイドボックスとサイドカバーを外して、
シートを外して
ガソリンタンクを外して、ステップなども外して、
エキパイ部分からマフラーを取り外して、
キャブを取り外して。
これで、準備はOK。
シリンダヘッドとシリンダーを外してみると、ロッカーなどきれいな状態で保たれています。
巨大なピストンの頭頂部には、薄くカーボンが付着していて、後ろシリンダー側の方の汚れ方が大きいですね。
前シリンダーに比べて、後ろは冷却が不十分だからなのでしょう。
大人の腕まですっぽりと入る大きさのシリンダーの壁は、きれいな鏡面状態を保っていて、ピストンリングやピストンなどで傷を付けたり、焼き付いたりしたような後は見られません。
ピストンが頭を振ると、シリンダの前後に傷がつくし、ピストンリングがへたったり傷をつけたりすると、オイル上がりで白煙がまざった廃棄煙になりますね。
次に、タイマーカバー(カムカバー?)を外す事にする。 ボルトを抜いて、固着しているカバーをプラハンマーで軽くたたくと、カバーを取り外すことができます。
カバーを手で引き抜くと、下に敷いたオイル受けに、コロンと何か落ちてきた。
ん?何が落ちたぞ?
真っ黒に染まった合成樹脂が融けて固まったようなものです。
そのあと、カバーの内側から、バラバラになった樹脂の固まりがいくつも出てきた。
表側のチェーンアジャスターは少し削れた程度なので、それではこの粉砕されたようなものはなんだ?
カムギヤとチェーンを取り外すと、中からチェーンアジャスターが粉砕されて粉々になった物が出てくる出てくる。 びっくりです。
アジャスター部をサンドイッチ状にはさんでいる金属製のプレートの一枚は、削られて原形もとどめていません。[E:catface]
パーツクリーナーであちこちの穴を吹いていると、オイルポンプの吸い込み口パイプの中には、アジャスターの残骸が泥状になって詰まってました。 驚き
異音の原因は、間違いなくここカムチェーンアジャスターの破損ですね。
チェーンにテンションがかからずに、チェーンはゆるゆる状態で回っていたのでしょう。
でも、他のカスタムショップだけれど、2012年の10月に腰上オーバーホールをして、パーツ類も交換していたのだけどなぁ。[E:bearing]
ピストンの小端部・大端部とも、ふれは正常範囲。[E:good]
ピストンリングもほとんど摩耗もなく交換する必要もなさそうだ。[E:good]
心臓部のクランクシャフトも、わずかな振れもなく、まったく問題ない。[E:lovely][E:good]
パーツさえそろえば、その日の内に修理は終わるので、1週間か10日もすれば走り出すことができるのでしょう。
今回はエンジンの載せ替えはしなくても良くなったので、もうしばらくスペアエンジンの出番はなさそうです。 [E:bleah]