さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

間欠泉 9

2010年04月29日 | アイスランド

 次の目的地、間欠泉に着く。食事の時間も入っているので、1時間半の休憩である。パンフレットや絵葉書にあるドーンと数十メートル吹き上げるやつは、日に4回ぐらいしか爆発しないとガイドが言う。時間も当然不定期らしい。どのくらい続くのか?と聞くと、笑いながら「そりゃ数秒だよ」と言う。ギエ!そんなん見られるわけないじゃないか。ズルイな、と思う。20メートルぐらいの奴は数分おきらしい。到着するときに、バスの中からも見えた。ほとんどの人がバスを降りて間欠泉へ向かった。
 俺はレストランが空いている間に食事をしようと考える。2軒あり、ひとつはドライブインのような所で、ひどくまずそうなホットドッグを出していた。例の調子のいいオランダ人が食っている。迷わず別のほうに行くと、これが高級ホテルのレストランであった。バイキング料理もありますよ、ときれいなおねえさんが案内してくれて、料理を見ると大変立派だったので、それに決める。
 
アスパラガスのスープ、スモークサーモン、ニシンのマリネ(これが大好きだ)、スモークポーク、サラダなどを取る。食べ放題にしては若干少なめにした。英国では、食事があまりにひどく、昼に残したサンドイッチを夜に食べて一日をすませたり、もともと小食なところをますます少ない量しか食べないので、胃がかなり小さくなっているらしい。昨夜のレストランでも旨そうな前菜は注文するのをあきらめ、それでもお腹がパンパンになっていたのだ。でもここでは食後にチョコレートケーキ一切れとコーヒーも飲んだ。それでもわずか2,500円あまりであった。食事の密度が濃い旅行だとしみじみ思う。
 
食後に間欠泉を見に行く。途中ブクブクと噴出す温泉の穴をいくつか見る。九州の普賢岳を思い出した。そこには温泉がボコボコと沸き立つ「大叫喚地獄」というのがあったなぁ。さて間欠泉は、数分おきに吹き上げる。クレーターの中の水溜りから不定期に飛び出すのである。写真を撮ろうと構えているとなかなか出ない。時間で計っても、10秒後に出ると思えば10分以上も待ったりするのだ。ひたすら待って、数回は見た。まず池の水面が少々へこんだと思ったら持ち上がり、丸く膨らんでドカン、と噴出し、あとはキノコ雲になる。なかなか楽しい。
 
バス旅行では何度か景色のいい所で止まり、写真を撮ったりした。平原の国会は、どこを指すのかよくわからなかった。まあただの平原だからいたしかたなし、か。ガイドによると、アイスランドはアメリカ大陸とヨーロッパ大陸のプレートの断裂する所にあるらしく、大地の裂け目がある。年に2cmぐらいずつ離れてゆくらしい。中に水が溜まり、そこに観光客がコインを投げ入れる。どこでも人のやることは同じですなあ。きれいな深い水のなかにキラキラと無数のコインが光っていたゾ。

ボウン!と吹き上げる間欠泉。なかなかの迫力(^^)b



これが吹き上げる穴ですたい。しばらく見ていると、ぐっとへこんで、ボウン!w(゜゜)w



そしてキノコ雲・・・。



これを撮影するために、ず~~~っとカメラを構えていなければならない。

こんときゃ動画の撮影できなかったから残念。。。




これがヨーロッパ大陸とアメリカ大陸を分ける大地の裂け目だとか…。( ゜Д゜)y-~~



投げ込まれたコインがキラキラ…(^益^;


ゴールデン・サークルのバスツアー 8

2010年04月26日 | アイスランド

 ゴールデン・サークルという、アイスランドでもっとも人気のある観光スポットがある。Gullfossという氷河の中の大きな滝、初期の移民らが地区の代表を選出して定期的に議会を開いたという平原(人類初の代議士制国会である)、そしてGeysirという間欠泉だ。この3つを見て回る一日バス旅行に参加する。
 予約をすると、ホテルまで迎えに来てくれるのである。様々な国から来た観光客がおり、中には日本人母娘二組もいた。総勢20人程の団体ツアーである。
バスは凍りついた平原、白く雪に覆われた山並みの間を走ってゆく。道はカーブが少なく、道路はスムースで車はもちろん少なく、実に快適なドライブである。
 まずは温泉の熱を利用した巨大な温室に行く。熱帯植物、バナナまである。「北極圏に驚きだろう!?」とガイドは自慢げに言うが、日本人にはさして珍しくもない(^益^;ここは観光地化しており、お土産屋さん、ゲームコーナー、スナックコーナーなどがある。ひとりで来ていたオランダ人に話しかけられ、タバコをねだられる。少々調子のいい奴だ。その後も続けてねだられそうだったので、後はできるだけ離れて無視した。
 
バスは山を登り、ついに氷河の地域に入り、Gullfossの滝に到着した。横なぐりの雪が冷たい。いや、雪というより水煙が凍ってみぞれとなり、それが強風に吹かれてぶつかってくるのである。ものすごい規模の大きな滝だ。水量は莫大で、激しい音をたてて水煙を上げている。とても生物のいる所ではないな、と思う。まわりの荒涼とした雪原といい、この凍るような滝といい、まるで太陽系のはずれの、暗い惑星に辿り着いたような気になる。


あまりにも巨大な迫力。


ゴウゴウと音をたてております。落ちたら一瞬で死ぬなー、と考えるw


左上に観光客の姿が見えるでしょう?すべって落ちるやつもいるのかな?とか思っちゃう。


宇宙船が太陽系のはずれにでも不時着したのかな、とか想像させますゾ(゜゜)w


ゲストハウス・オーロラの夜 7

2010年04月25日 | アイスランド

 素晴らしい食事を終えて宿に帰ると、小さな食堂兼居間に数人が揃っていた。ソーセージを焼いているやつがいる。自炊できる宿で、アイスランド人青年に聞くと、アパートを借りるよりも安く、そこに住んでいる人間が何人かいるらしい。
 そのアイスランドの青年にいろいろな話を聞いた。アイスランドのサガ(歴史物語)について一通り話してもらったが、むかし本で読んだときと同じで、次々に出てくる名前がとても覚えられない。初期の移民の血統がいまだに残っているらしい。ここでは国の始まりの歴史が、現代まで続いて生きているのである。
 
横にいたフランケンシュタイン似の青年が日本の映画について語り出した。彼は映画が大好きなのである。「バトルロワイヤル」が特に好きらしく、1コマのフィルムを持っていることが自慢らしい。しきりに「ミケ・タカハシ」と言う。ついにわからなかったが、日本に帰ってわかった。「三池崇史」だったのですね。
 ひとしきり映画の話をして、こちらキューブリックが好きだというと、持っていたパンフレットをくれた。日本でもハリウッド映画が幅をきかせている話をすると、やはり嫌な顔をしていた。横で聞いていた宿のおばさんも「ハリウッドはね!」と眉間にしわを寄せていた。米国の大資本は、世界中のあらゆるところに侵食している。そしてそれに対する反応も、世界共通なのかもしれない。
 
一緒にいたフランス人青年は英語が片言で(フランスでは誰もが10年英語を習うそうだが)、フランスの哲学者や文学者の名前を出してもあまり知らなかった。モンテーニュなどは、子供の頃に教科書で読まされて、うんざりするイメージが植えつけられているらしい。こういった現象も世界共通か(^益^;
 フランスの文人については、横にいたオランダ人娘やモロッコ人のほうが知っていた。そのモロッコ人は話し方ですぐにインテリとわかったが、英語フランス語ドイツ語スペイン語イタリア語、その他幾つかできるそうで驚いた。
 ちなみに宿のおばさんも英語がうまいと感心していたのだが、フランス人青年と素晴らしく流暢なフランス語を話している。なんとフランス出身だったのだ。そしてアイスランド語と英語を話すわけですね…。この安宿、様々な文化が交流するかなり知的レベルが高いところであったのだ。
 
さて「高かったろう」と心配していたおばさんに、クジラステーキの話をした。「日本ではもう食べることはできないが」と話すと、アイスランドではまだ少しばかり捕鯨が残っているという。「グリーンピースがうるさい」と言う。クジラの解体は大変な臭いがするらしく、「ここまで臭ってくる」と言っていた。
 コーヒーを飲みながら、このような下宿の団欒を楽しむことができました
(^益^)b

 その夜は雨が降り出し、オーロラは全く無理であった。あきらめきれずに深夜何度か窓の外をのぞいたが…。


多国籍の文化交流があるゲストハウス・オーロラの居間&食堂(^益^)b


シーフード・レストランの夜 6

2010年04月23日 | アイスランド

 さあて夕食はいよいよシーフードである。宿のおばさんに旨いシーフードのレストランを聞くと、「グエッ!高いぞ!」と叫んで反対した。そんな貧乏は若造に見えるのかい…w
 街一番の店を紹介してもらった。「高いぞ、高いぞ」と心配していた。安宿に泊まっているからなのでしょうか。店に行く途中、通りがかりの若者に場所を尋ねると、そいつは知らず、横を通った他の人に聞いてくれた。それがなんと目の前であった。なんとなく、ここの人々はみな親切で暖かい対応をしてくれる。人口の少ない島国で、犯罪もとても少ないのではないか。
 
さて、そのレストランは実にゴージャスな作りで、北欧美人のウェイトレスにキャンドルの灯る白いクロスのテーブルに案内される。こういう所でひとりワイングラスを傾けるのは、少々寂しいものがある。
 さて女性の読者がおられたら、美形の文学青年を想像してみてください(^益^)

とうとう君とこんなところまで来てしまったね…

夜空に広がるあのオーロラが、ぼくらふたりを祝福してくれているんだよ。

世界中のしあわせをかき集めても、この忘れられない夜の思い出ひとかけらにも及ばないだろう…
(*´`*)

 鯨のステーキ、ワサビ醤油ソース(日本風!)というのがあったので、それを注文する。もっとも高い部類の料理であったが、6000円ほどである(ここまで来たんだから贅沢したひ^^)。
 出てくると、盛り付けが一流のフランス料理のようだ。ステーキが二切れ重ねてあり、上に小さな揚げた人参が乗っており、横にその他野菜の盛り付け、ワサビとマスタードのソースが網の目状にかかっている。美観も大事ですよね。ステーキにナイフを入れると、まわりはクリスピーで中はジューシィ、「わかっていますね」という焼き加減である。食べてみると、おお、なつかしいクジラのお肉である。小学校の給食で、よくクジラフライが出ましたなあ。
 
すっかり満足して一服したくなり、デザートはソファーのある別室に用意してもらう。エスプレッソはしっかりと濃く香り高い。ホワイトチョコレートのアイスクリームに、クリームカラメルがかかっている。カラメルはパリパリと焦がしてあり、添えられたベリーの甘酸っぱさとのコンビネーションは絶妙であった。実に満足のいく食事であった。
 歩いて帰るが、腹がふくれすぎて苦しい。酔っぱらいのようにフラフラ歩く。英国では料理に胸焼けすることがあっても、満足した満腹感はしばらくなかった気がする。夜空を見上げるが、薄曇りでオーロラの気配はないw

 

レストランの様子や、出てきた料理の画像があればいいのですが、こんときゃあまり写真を撮らなかったので、ないんですぅ(´;д;`) というわけで、ブルー・ラグーンの画像をお楽しみ下さい(^益^;


レイキャヴィークへ 5

2010年04月21日 | アイスランド

 バスは溶岩の平原を突き抜け、1時間弱でレイキャヴィークへ。首都と言っても小さな街である。アイスランド全体の人口が28万人、我が街世田谷区の約3分の1であり、レイキャヴィークは10万人都市である。大きなビルなどはもちろんなく、みな2~4階建てぐらいの建物で、赤、青、黄色、茶色、灰色など、カラフルな家並みである。
 
2時近くになり、朝食を食いっばぐれていたので、まずはレストランを探す。街の中心街だというのに、レストランがあまりない。外食ってほとんどしないのかなあ。外に出るのも寒いもんねェ。しかたなく開いていたベジタリアンの店に入ると、暇そうなおねいさんふたり組みが店員だった。「赤キャベツのハンバーグ」を食べる。旨くない。長い英国暮らしで、まずい肉やらじゃがいもにうんざりしていたから、新鮮なシーフードを楽しみにしていたのにー。
 
インフォメーションに行き、宿探し。街の中心が便利だが、オーロラを見るために、外に出てスペースがあるような所が条件である。大きなホテルは外に出るのが大変なのでいけない。すぐ近くのゲストハウス・オーロラという所に行ってみた。名前がいいじゃ、あ~りませんか。
 しかし主人はいなかった。中にいた滞在客に電話をしろと言われ、メモをして近くの店に入り公衆電話の場所を聞く。しかし公衆電話などはあまりないようで、「これを使え」と店の電話を貸してくれた。親切な対応に嬉しくなる。
 主人はすぐに帰ってきて、部屋を提供してくれた。びしっと髪をしばった親切なおばさんである。ムーミンのミイが年をとるとこうなるであろう。部屋はベッドとテーブルだけの小さな所。それと使う気になれないような小さなシャワー・ブース。風呂は温泉に入るからいらないのじゃ。おばさんは翌日の日帰りバス旅行の予約をしてくれた。アイスランドにいる限り、何かあったらいつでも電話をしてくれ、と親切な申し出を受ける。
 
午後には街に数箇所ある公衆浴場&プールに行く。これが楽しみだった~。一番近くのところに行くと、わずか300円ぐらいである。国が支えているらしい。施設はきれいで、温水プールの横にジムがあり、外に出ると風呂がある。4,5階くらいの高さのベランダのようなところだ。老若男女が10人くらい、のんびりと入っている。4041度と風呂並みの湯と、37度のぬるい湯があった。風呂というよりプールという作りだ。スチームサウナもあった。
 夕暮れの街と空を眺めながらゆっくり入り、腰を伸ばす。英国では狭い部屋に閉じこもりきりだったので、腰が痛いのである。わずか2日のながい風呂で、ほとんど腰は痛まなくなっていた(^益^)


地味な雰囲気の街の通りです。つきあたりは教会。そのすぐ横にゲストハウス・オーロラはあるのです。この教会には大きな広場があるので、オーロラを眺めるにはとてもよい場所だと思ったわけだ(^益^)b